1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
知花 弘吉 近畿大学, 理工学部・建築学科, 講師 (80088476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部・環境システム学科, 助教授 (50140249)
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Keywords | 車椅子 / 注視 / スロープ / 歩行者 / 眼球運動 / アイカメラ / 脊髄損傷者 / 注視行動 |
Research Abstract |
脊髄損傷者が手動車イスを使用して,建物にアプローチするために設けられたスロープや平坦部分において移動実験を実施した.アイカメラを装着した被験者が決められたルートを日常的に使用している手動車イスを操作しての移動を行った.実験ではできるだけ日常的な行動をすることが望ましいために,目的地まで往復するように指示するのみで,その他については被験者に委ねた.実験の結果,1注視当たりの平均注視時間では個人差は認められないが,空間条件による差が認められる.スロープの上りでは短く(0.28秒),下り(0.36秒)や平坦部(0.32秒)では上りより長いこと,移動速度との関連では上りにおいては高い負の相関が認められ(-0.87),移動速度が速くなれば平均注視時間は短くなる.1秒当たりの平均注視回数は個人差,空間条件の差の影響は受けないものの,移動速度との関連では下りにおいては高い負の相関が認められ(-0.97),移動速度が速くなれば平均注視回数は少なくなること,注視対象は安全性に関するものが主である.特にこの傾向はスロープの上りにおいて顕著であり,快適性に関する注視対象まで拡大していないこと,注視距離は平坦部の方が6m程度,スロープでは2〜3m程度であり,平坦部がスロープよりも長くなるなどの知見を得た。手動車イスを操作して移動する場合の視覚情報収集は比較的限定された空間のものである.車イス使用者の視覚情報収集が広範囲にまで及ぶような空間構成がより重要であると考えられる.バリアの少ない歩行者専用空間での移動実験についての解析結果から多くの知見を得ることができた.脊髄損傷者の場合,半身不随になった原因がさまざまであり,車イス生活経験年数も異なり,年齢もさまざまである.同じ条件の被験者を揃えることは困難であるが当初の目的を達成することができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 知花弘吉,足立啓,他2名: "屋外のスロープにおける車椅子利用者の情報獲得時間について" 日本生理人類学会第36回大会抄録集. 74- (1996)
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[Publications] 知花弘吉,足立啓,小野英道: "車イス移動時の身体障害者の視覚情報獲得について" 大阪交通科学研究会,平成8年度学術研究発表会講演論文集. 13-14 (1996)