1995 Fiscal Year Annual Research Report
上海市の住宅政策に関する研究-市場経済導入期の住宅供給の現状と問題-
Project/Area Number |
07650729
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsu City College |
Principal Investigator |
山口 増美 (新家 増美) 三重短期大学, その他の部局等, 助教授 (20222367)
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Keywords | 中国 / 上海 / 住宅政策 / 都市計画 / 住宅供給 / 再開発 |
Research Abstract |
本年度は上海市の事例を中心に分析を進め以下の知見を得た。 1.都市近郊の居住区開発、既成市街地の再開発を進めた要因としての都市政策・都市計画について (1)土地利用について従来の市街地区域抑制政策を改め、市街地区域を拡大した。同時に、市中心部における商業用地の開発とそれにともなう住宅や工場の郊外への移転、近郊農村での工業団地開発と農地の遠郊への移転がはかられている。 (2)上海市の都市計画は陳腐化した第二次産業や都市基幹施設を更新する目的をもって策定された。とくに近年は環状道路等の交通網整備が重点的に行われた。 (3)都市近郊が近郊県から市区に編入されたことにより、都市・経済政策がより一貫性を持ち、また市内から団地への転入による都市戸籍の変更の必要がなくなった。都市中心部との交通が改善された。このため近郊居住区開発が進展した。 2.居住区開発、既成市街地の再開発における勤労者向けの住宅供給の現状と問題点について (1)既成市街地の再開発は、外資を導入した土地使用権の譲渡による資金で行わた。その進展の要因は地価高騰とともに上海市ではほとんどの土地・建物を区が直接管理していることにある。 (2)近年の既成市街地の再開発と郊外団地の建設は、上海市の市民の居住条件改善に一定の寄与をした。 (3)近年の都市住宅制度の改革によって上海市でも持家助成を推進、公営住宅は縮小し、政策家賃から原価家賃へと移行、公的援助は低所得者に対するものなどに限定していく方針である。
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Research Products
(1 results)