1995 Fiscal Year Annual Research Report
ルイス・カーンの作品世界の意味に関する建築論的研究
Project/Area Number |
07650739
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 忠直 京都大学, 工学部, 講師 (20111940)
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Keywords | 住むこと / 住宅 / 作品 / 道具 / 構成要素 / 結合 / フォーム / 空間現象 |
Research Abstract |
ルイス・カーンの全住宅作品の生成過程に関する研究のうち,研究全体の主題解説と6作品の分析・解釈を平成8年3月(初年度末)に終える予定である。(現在以下の視点において,学会論文として執筆中である。) (研究主題) 1.ルイス・カーンの住宅のフォームを問う。カーンの作品世界の意味を住宅作品のフォーム解明を通して明らかにする。まず住宅を構成する諸要素の結合の仕組が,草案群の徹底的調査を通して分析され、そこにおいて開かれる「居心地のよい空間(ルーム)」の意味が,人間存在の在り方,つまり「世界内に住む」という仕方において解明される。記述にあたっては,空間構成の形式的アスペクトとその根拠としての超越論的アスペクトとの2重の解明が目論まれ,実存の場所,ルームが究明される。 (研究方法) 草案群の分析は,平面図,断面図の「図式化」による構成要素の結合のシステムの変遷過程が提示され,意味生成の仕方が分析される。作品生成の現象学が目論まれている。記述は,フォーム生成の歩み,フォーム分析,デザイン分析,ルーム分析に区分される。 「住むことを」実現する構成要素,リビングルーム,マスターベッドルーム,ダイニング・キッチンなどの結合システムの主題化。エントランス,デン(主寝室の前室),コート,階段室,暖炉,窓など,フォームを成立せしめる特異な要素の分析と存在論的解釈が試みられる。
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