1996 Fiscal Year Annual Research Report
FeRh規則合金に於ける磁気的グラニュラー相の巨大磁気抵抗
Project/Area Number |
07650755
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森田 博昭 山形大学, 工学部, 教授 (50005914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 雄二 山形大学, 工学部, 助教授 (00007030)
林 成行 山形大学, 工学部, 教授 (80005868)
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Keywords | 鉄-ロジウム合金 / 磁気抵抗 / 磁気的クラニュラー構造 / 磁気相転移 / 相図 |
Research Abstract |
Fe-Rh合金の磁気相転移に伴う大きな電気抵抗変化は、1次転移に起因しているために、履歴が大きく応用に結び付けることが困難であると考えられていた。しかし、高温の強磁性相から低温の反強磁性相への転移の途中の状態に於ける磁場による抵抗変化は、履歴が小さく可逆的であるために、十分利用可能であることが分かった。この磁気抵抗の原因を解明するために、冷間圧延した試料に色々な熱処理を加え、電気抵抗の温度依存性を調べた。この研究から、磁気相転移の途中における磁区構造は、反強磁性相と強磁性相がグラニュラー状態に混合した状態であり、磁気抵抗は磁気相境界でのスピン依存散乱に起因している可能性の高い事が指摘された。しかし、平成8年度になって、実験的に磁気的グラニュラー状態を監察しようと試みたが、まだ成功していない。以上の結果は、日本応用磁気学会誌に発表した。 応用につながる研究では、弱磁場で大きな磁気抵抗を得る試みとして、Fe-Rh合金を純鉄で挟んだヘテロ構造試料を作成したところ、6.6kOeの磁場で5.4%の抵抗変化が得られた。この変化は、ヘテロ構造にしない場合の約3倍も大きな変化であり、純鉄よりも透磁率の大きな物質で挟んだ試料では、更に大きな抵抗変化が得られるであろうことを示している。また、磁気抵抗効果の組成依存症について調べたところ、約51at%Rhの組成に於いて、磁場による抵抗の変化率が最大となることも分かった。 現在は、磁場をかけた場合の抵抗変化を相転移による部分とスピン依存散乱による部分とに分離し、磁気抵抗の原因をあきらかにしようと試みている。
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Research Products
(1 results)