1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650761
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 修治 新潟大学, 工学部, 教授 (80134956)
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Keywords | 白金 / モリブデン / 水素 / 起電力 / 吸着 / 表面再構成 |
Research Abstract |
前年度において,白金-水素系で構成される電池の起電力(EMF)のゆらぎを調べ,その発生機構を白金界面における水素濃度のゆらぎに基づき論じた。また,白金界面における水素・重水素の同位体効果を調べた。本年度は,独自の電気化学的方法を改良し,金属-水素系電池の電流特性や短絡回路を除いた後の起電力の回復過程から,金属界面における水素の動的状態を明らかにすることを目的とし,以下の知見が得られた。 1.白金-水素系電池をショートした時の電流特性や短絡回路を外した後のEMFの回復過程等の面方位依存性と温度依存性を調べ,白金界面での水素の吸着過程や吸着点の表面構造依存性の知見を得た。特に,Pt(110)-H系の温度依存性を調べたところ,転移的な振舞いが観測され、その結果を表面再構成で議論した。また,測定の再現性を図るため酸素/水素交互吸着法(仮称)を提案した。 2.次に物質依存性であるが,これまでに,周期律表におけるVIB-VIIB族を境としてその前後で電流特性に本質的な差異が認められていた。とりわけ,Moでは異常に大きい電流特性を認めており,本研究では,Mo単結晶-水素系に関しての詳細を調べた。その結果,起電力や電流特性やそれらの温度依存性に関して大まかにMo(111)-H系とMo(110)及び(100)-H系に分類できた。また,それらの温度依存性から,Mo(111)-H系では転移的な振舞いが観測された。 3.Pt単結晶-水素系と比較した場合,Pt-H系の場合にはPt(110)-H系とPt(111)及びPt(100)に分類でき,また前者の場合には転移的な振舞いが観測されている。これらの結果を表面構造(Mo;bcc/Pt;fcc)と表面再構成で議論した。また,Mo-H系とPt-H系の吸着エネルギーの違いに関しても調べた。 尚,結果の一部は投稿中である。また,結果を日本物理学会で発表及び発表を予定している。
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