1996 Fiscal Year Annual Research Report
無限層構造を持つ材料の金属・絶縁体転移の研究と超伝導物質の探索
Project/Area Number |
07650783
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大森 和彦 名古屋大学, 工学部, 助手 (30023188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 正顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)
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Keywords | 超伝導 / 無限層構造 / 電気抵抗 / イオン半径比 / SrCuO_2型 / Ca_2CuO_3型 / 圧力合成 / マイスナー効果 |
Research Abstract |
無限層構造を持つ(Ca_<0.86>Sr_<0.14>)_<0.9>CuO_2に対してアルカリ金属Li,Na,Kを添加することを試みた。化学式は[(Ca_<0.86>Sr_<0.14>)_<1-X>A_X]_<0.9>CuO_2(A=Li,Na,K)を考え、体心位置に(Ca_<0.86>Sr_<0.14>)が入ると考え、これを置換すると考えて[(Ca_<0.86>Sr_<0.14>)_<1-X>A_X]とした。A=LiではCa_2CuO_3型がmajor phase、A=Naでは、Ca_2CuO_3型とSrCuO_2型が現れ、無限層構造はなかった。A=Kでは無限層構造が現れた。平成8年度は昨年のA=Kに関する実験を続けるとともに、これまでの無限層構造に関する実験研究の整理を行った。体心位置のイオンに対する酸素イオン配位数を考えると、SrCuO_2型で7配位、Ca_2CuO_3型で7配位、無限層構造は8配位である。これらの構造は酸素イオンと体心位置として考えた陽イオンの半径比でほぼ説明できそうである。Cuイオンの構造に対する寄与は小さいと考えられる。(Sr_<0.7>Ca_<0.3>)_<0.9>CuO_2は常圧で作製するとSrCuO_2型となり例外で、陽イオン/陰イオン半径比則で説明できない。高圧合成で得られた無限層構造のものはこの半径比則に合う。 (Sr_<0.7>Ca_<0.3>)_<0.9>CuO_2を高圧合成で作製した850℃×24h仮焼、950℃×24h焼結した試料に酸化剤KClO_3ペレットをはさみ、圧力セルの中に組み込み、5.4GPaで900℃,950℃,1000℃,1100℃の熱処理を30分行い作製した。電気抵抗測定では950℃,1000℃の試料で超伝導となり、転移温度T_0 (onset)はそれぞれ、110K,90Kであった。また、磁気測定では4つの試料すべてにマイスナー効果が見られ、熱処理温度が高くなるに従い大きくなったが、超伝導相の体積分率は1〜3.6%であり小さかった。転移温度T_0は熱処理温度の増加に従って110K,110K,115K,118Kと大きくなった。
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Research Products
(2 results)