高機能新圧電セラミック材料の開発

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07650790
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: Tokyo University of Science
• Principal Investigator: 竹中 正 東京理科大学, 理工学部・電気工学科, 助教授 (70096709)
• Keywords: 圧電セラミックス / 強誘電体 / ビスマスペロブスカイト化合物 / 電気機械結合係数

Research Abstract

従来の圧電セラミックスであるPZT系の弱点を補完する、すなわち、機械的強度が大きく、かつ、高温動作が可能な高機能新圧電セラミック材料を開発する一環として、一連のビスマスペロブスカイト型強誘電体に着目し、その圧電的および機械的性質を詳細に調べ、最適組成のビスマスペロブスカイト型圧電セラミックスを得ることをその目的とする。
本年度は、ニッケルチタン酸ビスマスBi(Ni_<1/2>Ti_<1/2>)O_3を取り上げ、そのBiの一部をPbおよびBaで置換した系、すなわち、(1-x)Bi(Ni_<1/2>Ti_<1/2>)O_3-x・(Pb,Ba)TiO_3の化学組成式で、なるべくPb量が少ないもの(xが小さな組成)の圧電セラミック材料としての諸特性を調べた。セラミックス試料作製は通常のセラミックス焼成技術により行った。X線回折の結果、この組成はPbあるいはBaの比率によらず、x=0.2付近を境にして、xが大きい側がペロブスカイト型構造であることがわかった。D-Eヒステリシスループの観察結果では、室温における50Hzでの残留分極Prは10〜15μC/cm^2であった。さらに、LFインピーダンスアナライザを用いた、共振-反共振法による圧電的特性の調査結果では、MnCO_3を0.02wt%添加したx=0.4における電気機械結合係数kは、それぞれの振動モードに応じて、kt=0.47,kp=0.325およびk_<33>=0.515が得られた。これらの値は、PbTiO_3系圧電セラミックスのそれらと同程度の値である。次年度では、強誘電体テストシステムを用いて、強誘電特性を詳細に調べる予定である。

Research Products

• [Publications] 竹中 正: "A New Series of Bismuth Layer-Structured Ferroelectrics" Japanese Journal of Applied Physics. 34. 5384-5388 (1995)
• [Publications] 竹中 正: "Bismuth Ferroelectrics for Lead-free Piezoelectric Ceramics" Proc. 12th Japan-Korea Seminar on Ceramics. 134-138 (1995)
• [Publications] 竹中 正: "Lead-free and Low-lead content Piezoelectric Ceramics for Environment" Ceramic Transactions. (発表予定).