1995 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンブラックの分子レベルでの複合化による導電性シリカゲルの合成
Project/Area Number |
07650796
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪川 紀夫 新潟大学, 工学部, 教授 (20018675)
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Keywords | カーボンブラック / 複合化 / シリカゲル / ゾル-ゲル反応 / ポリマーグラフト / ナノコンポジット / 分散性 / テトラエトキシシラン |
Research Abstract |
本研究では、カーボンブラック(CB)粒子が分子レベルで組み込まれたCB/シリカゲル複合材料の合成を目的に、ペンダントにトリエトキシシリル(TES)基も持つポリマーやポリビニルピロリドンをグラフトしたCBの存在下におけるテトラエトキシシラン(TEOS)のゾル-ゲル反応について検討した。 CB表面へのペンダントにTES基を持つポリマーのグラフトは、メタクリル酸グリシジル(GMA)とビニルピロリドン(VPD)との共重合体をグラフトしたCBをγ-アミノプロピルトリエトキシシランで処理することにより行った。また、CB表面へのポリビニルピロリドン(PVPD)やメチルオキサゾリン(PMOZO)のグラフトは、CB表面のカルボキシル基を開始剤に用いるVPD、及びMOZOのカチオン重合により行った。これらのポリマーをグラフトしたCBは、TEOS中へ均一に、しかも安定に分散する性質を持つことが明らかとなった。 ついで、これらのポリマーをグラフトしたCBの存在下でTEOSのゾル-ゲル反応について検討した。その結果、未処理のCBの存在下でTEOSのゾル-ゲル反応を行うと、CBがTEOS中へ均一に分散しないため、得れたゲル中にはCBの凝集塊が多く認められ、その強度も非常に低かった。これに対して、PVPDやPMOZOをグラフトしたCB、さらにはペンダントにTES基を持つポリマーをグラフトしたCBの存在下でTEOSのソル-ゲル反応を行うとCBがゲル中へ均一に分散したナノコンポシットが得られ、その強度低下もほとんど認められなかった。また、このような系で得られるゲル中には、CB表面のグラフト鎖は水素結合、あるいは化学結合を介して組み込まれていることが明らかとなった。
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