1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650797
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
矢野 紳一 岐阜大学, 工学部, 教授 (70021607)
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Keywords | エチレン-メタクリル酸共重合体 / アイオノマー / 酸素吸着 / 紫外可視スペクトル / IRスペクトル / 酸素透過性 |
Research Abstract |
1.エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)の希土類塩(Nd,Eu,Gd,Er塩)を押し出し成形法により溶融反応により合成することに成功した。具体的には希土類塩の酸化物、炭酸塩、酢酸塩をブラベンダー成形機により、減圧下、180〜200℃で溶融混練し合成した。 2.得られたEMAA-希土類塩の配位構造を、IRスペクトル、UVスペクトル等で詳細に検討した結果、Nd,Eu及びGd塩では8配位、またEr塩では6配位構造をとっていることが明らかになった。 3.走査型示差熱量計(DSC)を用いて、上記EMAA-希土類塩の転移挙動を調べた。全てのEMAA-希土類塩において50℃及び90℃付近に一次転移がみられた。低温域(50℃付近)の吸熱ピークは我々が提案しているイオン会合体の秩序-無秩序転移に、高温域のピーク(90℃付近)はポリエチレン域の結晶域の溶融に対応した。ここでEr塩ではポリエチレンの結晶化が著しく阻害されており、これはEr塩の配位構造に関連すると思われた。 4.Nd塩のIRスペクトル、Nd,Er塩のFar-IRスペクトル及びNdのUVスペクトルの温度による温度による変化を調べた。IRでは秩序-無秩序転移温度(50℃付近)に配位構造の変化があった。 5.中和度の異なるNd、Gd、Er塩の誘電緩和及びNd、Er塩の動的力学測定を行った結果、各試料にミクロ層分離が起きていることを見出した。 6.以上のようにEMAAの各種希土類塩(Nd、Eu、Gd、Er)が中和度を増すとミクロ層分離を起こすことを見出した。これは配位構造さらにはイオン-イオン相互作用が関係しておりこの点の究明は今後の課題である。
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[Publications] H.Tachino,et al.: "Water absorption effects on the thermal transition and stiffness of ethylene ionomers." J. Appl. Poltm. Sci.55. 131-138 (1995)
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[Publications] J.Yamauchi,et al.: "Temperature dependent Cu^<2+>-Cu^<2+> paired structure in ethylene/methacrylic acid copolymer neutralized with Cu(II)." Makromol. Chem.196. 3825-3831 (1995)
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[Publications] J.Yamauchi,et al.: "A spin-probing study of non-magnetic ionomers, Cu^<2+>-containing polyethylene/metacrylic acid copolymer neutralized with Zn^<2+>." Makromol. Chem.196. 3919-3927 (1995)
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[Publications] S.Kutsumizu,et al.: "Structure and properties of the neodymium(III) salts of poly(ethylene-co-methacrylic acid)." Polymer J.