1996 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物とジルコニア系セラミックスの複合材料の作製と特性評価
Project/Area Number |
07650801
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山口 修 同志社大学, 工学部, 教授 (40097861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 健 同志社大学, 工学部・機能分子工学科, 助教授 (30238414)
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Keywords | 金属間化合物 / ジルコニア / 複合材料 / ホウ化チタン |
Research Abstract |
高融点と高硬度を持つ金属間化合物のホウ化チタニウム(TiB_2)は,高温度での耐酸化性と良好な熱伝導性という特長を有しているが,破壊靱性値K_<IC>と曲げ強度が小さいという欠点を持っている.そこでTiB_2の機械的特性を改善するため,2モル%のイットリア(Y_2O_3)を固溶させた強靱性ジルコニア(ZrO_2)を添加した各種組成(TiB_2/ZrO_2(2Y)=100/0-50/50モル%)の複合材料を熱間静水圧プレス(HIP:1500℃-2h-196MPa)を用いて作製し,その機械的特性を評価した.複合材料中に均質に分散したZrO_2(2Y)粒子(粒径0.7-1.3μm)のうち80〜90体積%の粒子は単斜晶であり,TiB_2粒子(粒径1.75μm)との反応は認められなかった.複合材料の相対密度はZrO_2(2Y)の添加量が20モル%の時最大値98.6%を示した.K^<IC>は【product】3.7MPa・m^<1/2>から30モル%のZrO_2(2Y)添加で【product】1.2MPa・m^<1/2>と約3倍値が向上した.なお,本研究で得られた【product】1.2MPa・m^<1/2>の値は以前報告された値(7-8.4MPa・m^<1/2>)に比べて格段に高い.この強い靱化機構は単斜晶ZrO_2によるマイクロクラック強化と考えられる.一方,曲げ強度は,TiB_2のみの焼結対で645MPaであり,相対密度が最大値を示した組成の複合材料で最大値910MPaが得られたが,K^<IC>の最高値が得られたTiB_2/ZrO_2(2Y)=70/30モル%組成の複合材料では680MPaに低下した.この理由は,ZrO_2比率の増加によってもたらされたマイクロクラックの増加のためである.複合化することで機械的特性が大幅に向上したのは,複合材料中に単斜晶ZrO_2粒子を均一に分散させた(科研費にて購入した遊星ボールミルを使用)ことに起因する.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Muraoka,M.Yoshinaka,K.Hirota,O.Yamaguchi: "Hot Igostatic Pressing of TiB_2-ZrO_2 (2MOL% Y_2O_3) Compasite Powders" Materials Research Bulletin. 31〔7〕. 787-792 (1996)