1995 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタによるTiAl系金属間化合物の組成傾斜膜の作成
Project/Area Number |
07650803
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
武田 文雄 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (20042814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 孝慈 富山工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50023164)
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Keywords | スパッタ / 金属間化合物 / 組成傾斜 / ソレノイド |
Research Abstract |
これまで使用しているスパッタ装置は構造上シャッターの取り付けが困難であったが、改良して基板ホルダーをターゲットの真上から移動できる機構にして、スパッタ開始時にターゲットの汚れや酸化物などが膜中に取り込まれないように、プリスパッタが可能なものにした。また、基板ホルダーの温度も500℃程度まで加熱できるように改良した。 内側がAl、外側がTiのド-ナツ状複合ターゲットを用いてソレノイド電流を変えることによりAlとTiの組成比を25〜75%の範囲で制御できることを確認した。プリスパッタを行なえばTi,Alの酸化物が出来ないことも確認できた。SiO_2膜付きSi基板上の膜はX線回折では(111)、(222)の回折が見られ、TiAlの配向性の良い膜になっていることが分かった。 次にコンピュータを用いてソレノイド電流を矩形状にし、AlとTiのスパッタされる時間を交互に制御し、TiとAlを積層状に堆積させた。ここで矩形波の衝撃係数(Duty Factor)を変えてTiとAlが1:1にスパッタされる条件で膜を作成した。X線回折ではTiAlの(111)(222)回折だけがみられ、配向性の良い膜になっていることが分かった。この膜を真空中で700℃、15時間熱処理した時はTiAlの(001)(002)(200)(003)(221)などの回折も検出され、多結晶の配向性のない膜に変化した。衝撃係数を変えてTi/Alのスパッタされる比を15/1〜1/60の間で制御したが、いずれもTiAlの(111)、(222)の回折だけが観測され、Al_3Ti,AlTi_3などの回折は検出できなかった。ただし衝撃係数を1より大きく違えると、X線回折の20〜30度付近に、なだらかな回折が観測され非晶質の物質が生成される傾向がみられた。TiAlの膜は基板加熱をほとんど必要としないが、Al_3Ti AlTi_3の膜の作成には基板加熱を必要と考えられる。
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Research Products
(2 results)