1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650806
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田山 智正 東北大学, 工学部, 助教授 (20184004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 有尹 東北大学, 工学部, 教授 (70005502)
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Keywords | 多孔質Si / 可視発光 / その場測定 / フォトルミネセンス / フッ素 / 量子サイズ効果 / 光るSi微結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多孔質Siの可視発光特性を制御するための基礎的条件について検討することである。具体的には、多孔質Siに対して、気/固および液/固界面反応を利用した表面処理を施し、その粒径や表面の不純物の存在状態を変化させ可視発光スペクトルを測定し、応用面から重要な発光ピーク波長制御の要点を基礎的に明らかにすることにある。以下に得られた結果についてまとめる。 (1)気/固反応による発光特性変化 多孔質Siは、47%HF水溶液中でp型Si(100)ウェハ-を陽極化成して得た。試料は化成後直ちに、真空チャンバー内にセットし10^<-6>Torr台まで排気後、基板温度373Kにおいて10%He希釈のフッ素(F_2)を実流量1cc/minで暴露した。導入前にみられる700nm付近の発光バンド(主バンド)はその強度を減じた。同時に、600nmにピークを持つ新たな発光帯が出現し、暴露とともに強度を減じた。Ramanバンドから評価したSiの粒径には暴露に伴う変化はなかった。よって本実験におけるF_2導入時の発光帯の変化は、Si表面酸化物のエッチングに伴う表面化学状態の変化に起因するものと考えられる。さらにF_2処理後直ちにH_2Oをセル内に導入すると、主バンドの発光帯強度がF_2暴露前に比べ増加した。これは、表面の再酸化に伴いその化学構造が変化したことに対応すると思われる。 (2)液/固反応による発光特性変化 (1)と同様にして得た試料をKCl,HCl,HClO_4水溶液中で酸化電流を流した際の変化を検討した。処理により試料の発光強度は増加したが、通電をやめると強度は通電前の状態に可逆的に変化した。この変化は電解質の種類や多孔質層の厚さに依存した。試料の発光特性はその周りに存在するH_2Oや電解質といった分子によっても影響を受けることがわかった。
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Research Products
(1 results)