1996 Fiscal Year Annual Research Report
機械的溶体化-ナノ結晶析出プロセスの最適制御による耐熱アルミニウム粉末合金の開発
Project/Area Number |
07650814
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Research Institution | TOYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松木 賢司 富山大学, 工学部, 助教授 (10019193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高辻 則夫 富山大学, 地域共同研究センター, 助教授 (20143844)
時澤 貢 富山大学, 工学部, 教授 (50019171)
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Keywords | メカニカルアロイング / アルミニウム合金粉末 / ミクロ組織微細化 / 耐熱強度 / 金属間化合物 |
Research Abstract |
1.MA時間を昨年度の最長21hrから43hrまで延長し,MA時間の増大にともなう粉末のXRD結果の変化を調べた.その結果,2024Al-3Fe-5Ni合金では化合物からX線強度はあまり変化しなかった.しかし,Al-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金ではX線強度は著しく減少した.この結果は,前者の合金の主要な晶出化合物であるAl_9FeNiは分解しにくいが,後者のCrを含むAl_<80>Cr_<13.5>Fe_<6.5>準結晶やAl_<13>Cr_2は分解して遷移元素としてマトリックスに固溶し易い事が分かった。 2.Al-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金ではMA43時間粉末の焼なましに伴うX線回析の結果,MAによって固溶したFe,Ni,Cr,Zr等の遷移元素が,673K付近でAl_<13>Cr_<2'>やAl_3Fe微細粒子として析出することが分かった. 3.Al-3Fe-3Ni-3Cr-0.7Zr合金MA粉末の圧縮材と押出し材の強度を室温から673Kで測定比較した結果,押出し材で高い強度が得られた.また,真空ホットプレスを加えて固化したビレットを673Kで押出すことによって,真空ホットプレスを加えない場合と比較し,室温から573Kまでの強度を約2倍に高めることができた.MA43hr粉末の真空ホットプレス-押出し材の573Kでの引張り強さは300MPaに近い値に達した.強度増大の原因は化合物粒子及びマトリックス結晶粒のナノサイズ化による. 4.2024Al-3Fe-5Ni合金MA粉末固化材に,673Kでの2工程の圧縮成形を加えて作製した板材の室温から473Kの強度は,粉末に加えるMA時間が長くなると強度が増大した. 5.2024Al-3Fe-5Ni合金MA粉末固化材に適切な予加工を付加することによって,高速超塑性が得られる.
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[Publications] 松木賢司: "Al-3Fe-3Ni系P/M合金のミクロ組織と機械的性質に及ぼすCr,Zr減加の影響" 日本金属学会誌. 61・4(掲載予定). (1997)
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[Publications] Kenji Matsuki: "Effect of solidification microstructure on the Strength and ductility of PM2024-3Fe-SNC alloy" Materials Science & Technology. 13・5(掲載予定). (1997)