1996 Fiscal Year Annual Research Report
相分離型合金系メゾスコピック物質の周期構造安定性と材料特性の変化
Project/Area Number |
07650817
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60135308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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Keywords | メゾスコピック / 相分離 / 周期構造 / 組織安定性 / 薄膜 / 二層膜 / 弾性効果 |
Research Abstract |
1.SiO_2基板上に作成したAl/Si系,Cu/Ge系およびFe-Mo系二層膜の組織変化について,オージェ電子分光法(AES),走査型電子顕微鏡法(SEM),透過型電子顕微鏡法(TEM),X線回折により調べた結果,次の事柄が明らかとなった。 (2)Al/Si二層膜は,スパッター状態では,非晶質Siの下層と多結晶Alの上層からなること。アニールにより,下層のSiはAl層の表面に出て結晶性クラスターを形成し,上層のAlは逆に基板側のSi層に入り込み,結晶性Siクラスターと同じ形態(パターン)のクラスターを形成すること。Al上層の厚さの違いによりクラスターの形態(パターン)は異なり,厚いほどフラクタル状になりやすいこと。積層順序を逆にしたSi/Al二層膜をアニールすると,上層のSiはAl下層へ移動し,下層のAlはSi上層へ入り込みAl/Si二層膜の場合と同様のクラスターを形成すること。 (2)Cu/Ge二層膜の蒸着時の組織においては,下層はGeの非晶質層,上層は金属間化合物Cu_3Geの多結晶層となっており,アニールによりGe下層も金属間化合物Cu_3Geの多結晶層へと変化すること。積層順序を逆にしたGe/Cu二層膜は,非晶質Geの上層と多結晶Cuの下層からなっており,アニールによりCu_3Geへと変化してゆくこと。 (3)Fe/Mo二層膜をアニールすると,状態図上にはみられない準安定金属間化合物であるFeMo相が形成されること。 2.相分解過程の数値計算法として新たに離散型拡散方程式に基づく手法を開発し,Fe-Mo合金などの周期構造安定性のコンピュータシミュレーションが可能となった。 3.弾性拘束の異なるFe基合金のD0_3あるいはB2整合析出組織の時効変化と対応させてビッカース硬度変化を調べた結果,弾性エネルギーの影響下で起きる周期組織粗大化の停止に伴い,硬度低下が抑制されることが分かった。 4.純Ti,Ti_3Al金属間化合物相などにおける水素あるいは重水素の拡散挙動を明らかにした。
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[Publications] M.Doi: "Transmission electron microscope observations of the splits of D0_3 and B2 precipitates in Fe-base alloys." Philosophical Magazine Letters. 73・6. 331-336 (1996)
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[Publications] M.Doi: "Elasticity effects on the microstructure of alloys containing coherent precipitates." Progress in Materials Science. 40・2. 79-180 (1996)
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[Publications] 小山敏幸: "離散型拡散方程式に基づく相分解過程の数値計算法" 日本金属学会誌. 60・6. 553-559 (1996)
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[Publications] 小山敏幸: "離散型拡散方程式に基づくFe-Mo合金の相分解シミュレーション" 日本金属学会誌. 60・6. 560-568 (1996)
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[Publications] S.Naito: "Isotope effect in the diffusion of Hydrogen and Deuterium in Titanium,Ti_<88>Al_<12> and Ti_3Al." J.Chem.Soc,Faraday Trans.92・18. 3407-3410 (1996)
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[Publications] 土井稔: "金属多層膜の熱処理と組織変化" 熱処理. 37・1. 25-30 (1997)