1995 Fiscal Year Annual Research Report
活性金属元素によるTi-Al合金の表面改質と耐環境性
Project/Area Number |
07650832
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 博文 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (70006039)
|
Keywords | 高温酸化 / Ti-Al合金 / 酸化被膜 / イットリウム / ニオビウム |
Research Abstract |
Ti-Al合金はチタンが活性金属元素であるため高温酸化時には優先的にチタンが外方に拡散しチタン酸化物の生成とボイドの生成が起こり、その結果材料の強度と耐環境性が低下する。 本研究ではアルミナ系酸化物とする保護被膜の形成を目的に、Ti-Al合金について、雰囲気(10^<-5>Torr)、温度(900〜1000℃)、コーティング(活性金属元素Y、Nb)など処理条件を変え、酸化被膜層の形成およびその挙動を調査した。 得られた結果はつぎのとりである。 1)真空下での熱処理において形成されるTi-Al合金の酸化保護被膜の表面層は、チタンおよびアルミニウム酸化物であり、温度の増加とともにチタン/アルミニウム濃度比は増大し、1000℃では表面層のほとんどがチタン酸化物と推定される。酸化層の内部に比し表面層ではチタン/アルミニウム濃度比は増大する。 2)活性金属元素としてYをコーティングした場合、酸化層のチタン/アルミニウム濃度比はほぼ1:1で、温度増加に対して濃度比の大きな変化は見られない。形成された酸化層の表面層はアルミニウムが、内部ではチタンの濃度が高い。 3)Nbをコーティングした場合、チタン/アルミニウム濃度比は温度の増加とともに増大するが、その温度依存性は小さい。 上記のことからTi-Al合金を酸化した場合、低酸素分圧の場合でもチタンの外方拡散が優勢であることが明らかとなった。
|