1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性金属元素によるTi-Al合金の表面改質と耐環境性
Project/Area Number |
07650832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 博文 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (70006039)
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Keywords | 高温酸化 / 酸化被膜 / Ti-Al合金 / イットリウム / ニオビウム |
Research Abstract |
Ti-Al 合金はチタンが活性金属元素であるため高温酸化時には優先的にチタンが外方に拡散しチタン酸化物の生成とボイドの生成が起こり、その結果材料の強度と耐酸化性が低下する。 本研究ではアルミナ系酸化物を主体とする保護被膜の形成を目的に、低酸素分圧下での熱処理によってTi-Al合金およびAl、Nb、Yをコーティングした試料表面上に形成させた酸化層表面およびそれらを酸素雰囲気下で酸化した試料表面をXPSにより調査した. 得られた結果はつぎのとおりである. 1) 各成分濃度の取り出し角依存性により、汚染層(炭化水素),Ti濃度の高い酸化層およびAl濃度の比較的高い酸化層によって構成される多層酸化膜モデルを用いて,汚染層およびTi濃度の高い酸化層の有効厚さを求めた.このことからTiが優先的に酸化しAlが内部に濃化することが示唆される. 2) Ti2pおよびAl2pスペクトルのピーク分離を行い,表面酸化層に存在するTiおよびAlのそれぞれの酸化状態における組成比を求めた. 3) スペクトル分離より酸化物保護被膜にはTi(II)およびAl(III)より低次の酸化状態の結合エネルギーをもつTiおよびAlが存在することが示唆される. 4) 酸化実験の結果、コーティングしない場合、また、Al、Nbをコーティングした場合には、Alの酸化とともにTiも酸化するのに対し、Yをコーティングした場合には、Tiの酸化は抑制される。 また、コーティングしない場合、Yをコーティングした場合には酸化被膜の剥離は見られない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 井上博文: "低酸素分圧下で酸化したTiAlの角度分解XPSによる表面分析" 東北大学素材研彙報. Vol.52. 45-54 (1996)
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[Publications] H. Inoue: "Angle-resolved XPS study of thin layers formed on the surface of yttrium coated TiAl by oxidizing under low oxygen presssure." Met. Trans. JIM. (予定).