1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650842
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池内 建二 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (10030058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 誠夫 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (80029248)
|
Keywords | 陽極接合 / ガラス / ホウ硅酸ガラス / コバ-ル合金 / 接合機構 / 界面微細構造 / 反応層 / 界面インピーダンス |
Research Abstract |
電子センサーやマイクロマシン等の分野でガラスと金属との封止法として注目されている陽極接合は,界面現象についての系統的な研究が非常に少なく,接合機構の詳細についてほとんど議論がなされていない.本研究は,陽極接合の機構解明のため,界面現象について金属組織学的および電気化学的検討を加えようとするもので,用いた接合用材料は,熱膨張係数のほぼ等しいホウ硅酸ガラス(陰極側)とFe-Co-Ni系コバ-ル合金(陽極側)である.走査電顕による観察の結果,接合界面近傍のガラス中では,従来より指摘されてきたNa^+イオンのみならずK^+イオンの欠乏が見い出された.このK^+欠乏層の幅はNa^+欠乏層より狭く,いずれも接合時間と共に増加した.さらに透過電顕による詳細な観察の結果,接合界面においてFe-Si-O系非晶質酸化物からなる幅約100nmの反応層を見い出した.これらの結果は,陽極接合においては,上記の陽イオン欠乏層に起因する静電引力と,界面反応とが,接合に寄与していることを示唆している.さらに界面インピーダンス法によって,接合中の界面現象に起因すると考えられる信号を検出し,界面反応の律速過程の解明や,反応層あるいは陽イオン欠乏層の特性評価と結び付けるための解析を進めている. また金属の種類による接合現象の差異について調べるため,イオンプレーティングによってコバ-ル合金表面にAl,Si,Agの被覆層を形成し,接合性への影響を調べた.その結果,ガラス中へ陽イオンとしてほとんど侵入しないAlおよびSiの被覆層は著しい接合過程促進効果を示したが,ガラス中へ大量に侵入するAg被覆層を用いた場合は,接合不可能であり,接合には陽イオン欠乏層の形成が不可欠であることが示唆された.各種金属とガラスとの陽極接合性を総合的に説明し得る接合機構を明らかにするため,以上の結果について引き続き検討を加えている.
|
Research Products
(1 results)