1995 Fiscal Year Annual Research Report
オーステナイトステンレス鋼およびニッケル基合金単結晶の水素ぜい化に関する研究
Project/Area Number |
07650859
|
Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
昆 謙造 一関工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00042177)
|
Keywords | Ni‐base alloys / Single Crystal / Hydrogen embritllement / Facet Pit / Diffusion Coefficient / Fractgroph |
Research Abstract |
<100>成長方向をもつ上記合金単結晶に25°〜80℃で水素を電解チャージし,そのときのぜい化の程度とぜい化層の深さを引張試験および破面解析から求め,ついでその結果をもとに粒内での水素原子の拡散係数を算出することを試みた。またぜい化の結晶学的優先面などについても調べた結果,以下のことがわかった。 (1)表面には{100}トレースに沿った多数の微細な割れが観察された。しかしその深さは数10μm程度で,ほぼ水素化物層の厚さに対応する。 (2)断面の固さは,表面層では水素化物の生成や水素の固溶により高く,内部にゆくにしたがって減少する。 (3)水素チャージにより破断応力は一度増加し,その後減少する。一方,破断伸びは単調に減少する。 (4)ぜい性破面の結晶学的優先面はチャージ温度および時間によらず{100}面である。 (5)破面観察によると,ぜい化層深さとチャージ時間の平方根との間には,いずれの温度でも直線関係が成り立つ。これより水素原子の拡散係数とその温度依存性から拡散の活性化エネルギーを求めることができた。
|