1996 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質および準結晶構造を有するアルミニウム-マンガン合金薄膜の電析機構
Project/Area Number |
07650874
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 徹也 九州大学, 工学部, 助教授 (10136517)
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Keywords | 溶融塩電解 / アルミニウム合金 / 誘導型共析 / 非晶質合金 / 構造解析 |
Research Abstract |
平成8年度は,MnCl_2を添加したAlCl_3-NaCl-KCl溶融塩浴からのAl-Mn合金電析を行い,主として,得られた電析合金の表面性状を走査型電子顕微鏡およびその構造をX線回折および透過型電子顕微鏡により検討した。その結果以下に示すことが明らかになった。 AlおよびMnの析出が限界電流密度に達しない領域においては,電析物中のMn含有率の増加とともに良好な金属光沢を有する合金が得られた。そのとき,X線回折図において,合金のMn含有率の増加とともに電析物はMnが固溶したα-Alより成る結晶の回折線から次第に微結晶あるいは非晶質相によるブロードなピークヘと変化した。また,Al,Mnの析出が拡散限界のもとで得られた合金は一様に黒色粉末状であった。 次に,透過型電子顕微鏡により電折合金の微細構造を解析した。その結果,合金のMn含有率が増加するにしたがい,結晶質のα-Al相からの回折リングとともにブロードな回折線の強度が増加し始め,非晶質相の混在が認められた。さらに,これら結晶質と非晶質相は電析物一陰極素地界面に平行な層状組織を呈するという極めて特徴的な様相を呈した。そして,Mn含有率の増加とともに非晶質相の割合が次第に増加した。 また,Mnを約30mass%含有する合金の電子線回折像は4本のブロードなリングから成り,これは主として3から5nmの粒径を有する金属間化合物Al_6Mn微結晶の集合体の存在を示す回折リングであることがわかった。
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Research Products
(1 results)