1995 Fiscal Year Annual Research Report
Ag^+-β″アルミナを固体電解質として用いた塩素ガスセンサーの開発
Project/Area Number |
07650881
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
杉本 榮佑 新居浜工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (10044091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 宏通 新居浜工業高等専門学校, 工業化学科, 助手 (00184052)
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Keywords | 塩素 / ガスセンサ / 固体電解質 / β-アルミナ / 起電力 |
Research Abstract |
本研究の目的はAg^+-β″-アルミナを固体電解質として用いた電池による塩素ガスセンサーの開発にあり、本電池を次のごとく構成する。Pt,Ag/Ag^+-β″-alumina/Cl_2,Pt この電池の測定極側の固体電解質界面には、AgClが安定に形成されることから、Ag^+イオン電導による銀濃淡電池の起電力からCl_2ガス濃度を決定しようとするのが本研究の原理である。 起電力測定は350-650℃、塩素濃度2-1653ppmCl_2の領域で行った。 その結果、次の事柄が明らかになった。 (1)測定温度は350,400,450,500,550,600℃の6点について行った。各温度における濃度依存性はいずれも良い直線関係を得たが、特に400-500℃において理論計算値と非常に良く一致する再現性のある結果を得た。600℃の測定には再現性に多少の問題を残すが、この温度はAgClの融点:455℃よりかなり高温側にあり、AgCl(l)の安定性に問題があるものと考えられる。 (2)本研究の最適温度400-500℃における起電力の応答速度は10ppmCl_2程度の低濃度まで、95%応答で3-5minと早く起電力の再現性も良好であった。 (3)実際現場での塩素センサーの活用としては、10ppmCl_2以下の濃度領域が要求される。 本研究では450℃において2-100ppmCl_2の低濃度における測定を行った。その結果2ppmCl_2までの濃度領域において非常に再現性のある起電力値を得た。しかし、応答時間については低濃度になるにしたがって、10min程度と多少遅くなる傾向を示した。 (4)新たな電極材料としてRuO_2を使用した電池による、(3)の濃度領域の測定を行った。しかしながら、応答性に関して改善は認められるものの、その再現性に多少の問題を残した。 (5)実際現場での共存ガスとして考えられる水分については、起電力にその影響は認められなかった。
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