1995 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水の工学的利用のための誘電率スペクトルによる分子配向に関する研究
Project/Area Number |
07650886
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Keywords | 超臨界 / 水 / アルコール / 誘電率 / 局所構造 |
Research Abstract |
超臨界水は,特徴的な溶媒物性から,現在超臨界水酸化など多くの応用プロセスが検討されている。しかし,水純成分の物性データはかなり蓄積がなされているが,水溶液となると溶液物性についての報告データは僅少で,また水に特徴的な水和などの配向に関する検討例は皆無に等しい。ところで,溶液の局所的構造は分子の誘電特性に強く依存することから、誘電率測定は局所的構造解明の有効な手法の1つである。そこで本研究では、超臨界水溶液の誘電率測定装置の開発とそれに基づく配向構造の検討を目的とした。 まず,現有のNetwork Analyzerに本申請にて購入した高温恒温槽を組み合わせ,450℃まで測定可能な流通式誘電率測定装置を作製した。本装置では,Network・Analyzerを用いてSampleの反射係数を測定し、それから複素誘電率が算出できる。まず,装置の健全性の認識のため,室温付近での測定を行い,文献値と比較した。測定系は水(超純水)とメタノール,エタノール,1-プロパノール(純度各99.5%)の各二成分系で,温度62℃〜65℃,蒸気圧下で測定した。 静的誘電率ε_0を文献値と比較したところ、相対誤差は2〜3%となった。logτ(ps)の水のモル分率X_w依存を検討したところ、メタノール,エタノール,プロパノールの値は、それぞれ約1.4,1.7,1.9となり、logτはX_wに比例して減少するがXw=0.8近傍でほぼ同じ値となり、その点を境界として勾配は著しく増加する傾向が見られた。また、静的誘電率ε_0の水のモル分率依存においても、ε_0はX_wと共に緩やかに増加し、X_w=0.8近傍で急勾配となった。以上のことから、X_w=0.8近傍において局所構造の変化が生じていると考えられる。今後,水熱条件下更には超臨界状態での測定から局所構造と温度の関係を検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] G.M.Acosta: "Beef Shank Fot Solubility in Supercritical Carbon Dioxide-Propane Mixtures and in Liquid Propane" Journal of Food Science. (印刷中). (1996)
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[Publications] S. A. Slater: "Transferring Waste Minimization Solutions Between Industrial Categorios with a Unit Operation Approoch" Journal of Emvirometal Science and Health. A30. 379-406 (1995)