1995 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界噴出法による流動層微粒子コーティング法の開発
Project/Area Number |
07650888
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 敦司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00188591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60262052)
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Keywords | 超臨界流体 / 微粒子 / コーティング / 超臨界噴出法 / 循環流動層 |
Research Abstract |
粒子コーティングは、粒子表面を適当な物質で被覆することにより、様々な機能を付加しようとする粒子の複合化技術で、化学工業、医薬工業、食品工業などの分野で重要なものとなっている。そこで、噴霧液による核粒子の凝集が起こりやすく微粒子を取り扱うのが困難であった流動層コーティング法に替わり、通常の溶媒に替えて超臨界流体を用いて、流動層内に超臨界溶液をノズルから噴出させて晶析を行わせ、核粒子表面上にコーティング物質を直接析出させる新しいコーティング法を開発した。循環流動層中に、超臨界流体に溶解させたコーティング物質を急激に噴出させて、微粒子をコーティングするプロセスの開発を行った。平均粒径56μmのMS粒子を、内径50mmの内部ノズル付き循環流動層で空気で循環流動させた中に、超臨界二酸化炭素中に溶解させたパラフィンをノズルから噴出させ、微粒子コーティングを行った。コーティング量およびコーティング速度はサンプリング法によって測定した。コーティング速度は時間によらずほぼ一定で、粒子は凝集することなく安定なコーティングが可能であった。粒子の凝集は起こらず、安定なコーティングが可能であった。SEM観察により、核粒子表面はパラフィンの微粒子および膜で均一に被覆されていることが確認された。また、コーティング速度およびコーティング効率は、パラフィン濃度の増加とともに、またガス空塔速度の低下とともに増大したが、パラフィン濃度が大きな領域ではコーティング効率は頭打ちの傾向があることを見いだした。本研究で開発した超臨界噴出法によるコーティングプロセスは、微粒子のコーティングが可能であり、広範な分野での工業的応用が期待できる。
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