1996 Fiscal Year Annual Research Report
深海底のCH_4 hydrateの採掘とCO_2の貯蔵の基礎研究
Project/Area Number |
07650895
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大垣 一成 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80107078)
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Keywords | 天然ガス包接化合物 / 二酸化炭素深海底貯蔵 / エネルギー資源問題 / 地球温暖化問題 / 高圧相平衡 |
Research Abstract |
本研究では、深海底のCH_4 hydrate fieldから天然ガスを採掘すると同時にCO_2を貯蔵するプロセスの実現可能性を熱力学的側面から検討する。すなわちCO_2のhydrateの反応熱を利用して天然ガスを生産し、その地点にCO_2をhydrateとして貯蔵する(エネルギー資源問題と地球温暖化問題とのリンケージ)プロセスを検討し、必要な基礎情報(超臨界状態のCH_4とCO_2混合物およびgas hydrateを含む混合系の平衡関係や混合hydrateからの天然ガス生産速度など)を得ることを目的とする。 1.高圧力下でのCH_4 hydrateの熱力学的物性と反応特性の実測:CH_4 hydrateを含む系の熱力学的物性と反応特性を温度サイクル法により明らかにした。 2.混合(CH_4+CO_2)hydrateの平衡関係の実測:CH_4+CO_2+H_2O混合系の臨界軌跡・高圧相平衡(平衡定数を含む)・hydrateとの4相共存曲線などを明らかにした。 3.純粋CH_4 hydrate塊からの天然ガス採掘模擬実験:予め生成したCH_4 hydrate塊を高圧容器に入れ、高圧のCO_2流体を導入する。容器内圧力・温度を一定に保ちながらCH_4とCO_2混合流体を取り出し、取り出し速度と組成分析から天然ガス生産速度を求めた。本研究で明らかにしたことを纏めると、(1)CH_4 hydrateを含む系の高圧相平衡・反応特性を実測し、(2)CH_4+CO_2混合hydrate流体とhydrate相との分配平衡と温度・圧力関係ならびに混合系の臨界軌跡と3相・4相共存曲線を明らかにし、(3)CH_4 hydrate塊からCO_2を利用してCH_4流体を取り出す模擬実験により、天然ガス生産速度と温度・圧力との関係を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大垣一成: "Methane Exploitation by Carbon Dioxide from Gas Hydrate" J.Chem.Eng.Japan. 29. 478-483 (1996)
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[Publications] 井上義朗: "Numerical Study on Effects of Hydrate Formation on CO_2 Storage in the Deep Sea" J.Chem.Eng.Japan. 29. 648-655 (1996)
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[Publications] 大垣一成: "Decomposition of CO_2,CH_4 and CO_2+CH_4 Mixed Gas Hydrates" J.Chem.Eng.Japan. (印刷中).
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[Publications] 大垣一成: "天然ガス生産・二酸化炭素海底隔離の基礎研究" 月間地球. 18. 685-689 (1996)