1996 Fiscal Year Annual Research Report
太陽エネルギー有効利用のための高効率蓄熱装置の開発と蓄熱特性の予測
Project/Area Number |
07650901
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮武 修 九州大学, 工学部, 教授 (70038579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 広美 九州大学, 工学部, 教務員 (10260712)
野田 英彦 九州大学, 工学部, 助手 (00112409)
深井 潤 九州大学, 工学部, 助教授 (20189905)
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Keywords | 太陽エネルギー / 潜熱蓄熱 / 直接熱交換 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究では,太陽エネルギーの有効利用を目的として,形状安定化ポリエチレンを用いた蓄熱装置の開発研究を行った.その結果,以下の成果が得られた・ 1.潜熱蓄熱槽の放熱特性に関する実験 蓄熱体の相変化が測定できるように設定した条件下で蓄熱・放熱実験を行い,蓄熱した熱エネルギーが,高効率(全蓄熱量の約90〜95%以上)で,蓄熱体の凝固温度以上の熱エネルギーとして取り出せることを示した.また,蓄熱体として4種類の形状安定化ポリエチレンを用いて蓄熱・放熱実験を行い,蓄熱体の凝固温度,凝固潜熱,粒子寸法などが放熱特性に及ぼす影響を明らかにした. 2.蓄熱槽内流動・伝熱モデルの構築 初年度に構築した流動・伝熱モデルに蓄熱体の相変化モデルを加えて,蓄熱槽内2次元温度分布の推算を可能にした.蓄熱体の比熱には,相変化の影響を考慮するために,顕熱と潜熱を統合した見かけ比熱を用いた.また,蓄熱体を熱媒体間の熱伝達係数は,初年度に提出した熱伝達係数に関する経験式から算定した. 3.操作条件が放熱特性に及ぼす影響 操作条件(槽初期温度,槽流入熱媒体温度,熱媒体質量速度,蓄熱体充填質量,蓄熱体充填高さ)が蓄熱槽内温度分布および槽流出熱媒体温度の経時変化に及ぼす影響を,構築した解析モデルより明らかにした.また,槽流出熱媒体温度の経時変化に関する実験結果と数値解析結果が架橋樹脂の種類,操作条件に因らず極めて良好に一致したことから,解析モデルの妥当性と汎用性を検証した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 宮武 修: "融解・凝固履歴を有する粒状架橋樹脂を充填した固定層内における熱伝達" 化学工学論文集. 22. 662-668 (1996)
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[Publications] Osamu Miyatake: "Transient Behavior of a Hybrid System of Latent Heat Storage and Spray Flash Evaporation" Proceedings of 5th Internal Symposium on Thermal Engineering. 160-165 (1996)
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[Publications] 宮武 修: "粒状架橋樹脂を充填した潜熱蓄熱槽の放熱特性" 化学工学論文集. 22. 735-741 (1996)
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[Publications] 宮武 修: "形状安定化粒状樹脂による潜熱蓄熱" 化学工学論文集. 61. 48-49 (1997)