1996 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体中の超微粒子および分子集合体の大きさの同定
Project/Area Number |
07650906
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 康維 同志社大学, 工学部, 助教授 (60127149)
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Keywords | 超臨界流体 / 微粒子 / 光子相関法 / 粒子径測定 |
Research Abstract |
数nm径の粒子の大きさを測定でき,かつ原理的にはミリ秒程度の測定時間で充分な光子相関法に着目し,超臨界流体中に分散した粒子の大きさの測定方法を確立することを目的とし,以下の実験結果を得た。 1.単分散ポリスチレンラテックス粒子をメタノール中で測定すると,数MPaまでで粒子径は1.2倍にまで大きく測定されたが,それ後30MPaまでの圧力範囲では,粒子径は比較的変化しない値を示した。単分散に近いシリカ粒子を用いると,30MPa以下の圧力において測定された粒子系はほとんど変化しなかった。これらの結果から,ポリスチレンラテックス粒子は比較的低い圧力で膨潤することが判った。 2.20MPa,40℃の超臨界二酸化炭素中に分散したポリスチレンラテックス粒子やシリカ粒子では,時間の経過と共に,測定された粒子径は大きくなり,粒子径分布の広がりの程度を示す多分散性指数も大きくなった。また散乱光量は時間と共に減少した。これらのことから粒子は凝集しやすく,測定が困難であることが判明した。 3.20MPa,40℃のメタノールと二酸化炭素の混合溶液中での測定では,粘性係数の実測値がないため,粒子が分散していると仮定し,メタノールのみでの測定粒子径を用いて,混合溶液の粘性係数を求めた。Lobeの混合溶液の粘性係数の推算式と比較したところ,二酸化炭素混合率80%以下で良い一致をみた。超臨界二酸化炭素の結果を考慮すると,溶媒の分極率が低下すると,粒子は凝集すると考えられた。
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