1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650909
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
福地 賢治 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00117235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 康彦 九州大学, 工学部, 教授 (50005435)
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Keywords | 相平衡 / 活量係数 / 無限希釈 / ガス・ストリッピング法 / 水 / アルカン / アルコール / エーテル |
Research Abstract |
ガス・ストリッピング法による無限希釈活量係数の測定装置は、水恒温槽部、サンプリング部、濃度分析部から構成される。平成6年度の一般研究(C)により、迅速かつ正確な測定を可能にするガス・ストリッピング法による無限希釈活量係数の測定装置を製作し、測定技術が確立された。さらに、平成7年度の一般研究(C)の設備備品として購入したデータ処理装置(GLサイエンスChromatocorder21)および精密膜流量計(GLサイエンスSF-1100,V-20)を組み込んだ実験装置により、精度よく溶質の無限希釈活量係数を測定することができる。このガスクロマトグラフは、応答速度の速いFID(水素炎イオン化検出器)と10倍アンプの高性能TCD(熱伝導度検出器)を内蔵しているので、微量成分の検出に有用となる。揮発性炭化水素および水溶媒の実験では、流路出口にトラップとして現有の冷凍機(ヤマト科学BD-25)を使用する。本装置を用いて、水中のアルコール類、エーテル類などの無限希釈活量係数を系統的に集積した。平成8年度は、溶媒を水にした実験を計画し、代表的なアルコール(メタノール、エタノール、1-プロパノール)の無限希釈活量係数を10〜50℃の範囲内で測定した(福地)。 理論解析については、一般に用いられるUNIFAC式とASOG式の適用を試みたところ、十分な精度で計算することができなかった。そこで、無限希釈活量係数の正確な推算を可能とするグループ寄与法を新たに開発する。現在問題とされている置換基の位置や分子全体の構造をも反映させたグループ寄与法を構築し、一般的な推算手法を確立する必要があり、現在検討中である(荒井)。 研究成果は、この2年間の11報を平成8年度科学補助金で作成した研究成果報告書に掲載した。また、参考資料として、平成6年度以前の6報も本報告書に掲載した。今後の課題として、水溶媒中の他の有機化合物、アルカンおよびアルコール溶媒中の水の無限希釈活量係数測定を系統的に行い、一般性のある無限希釈活量係数推算モデルの提案が必要となる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Fukuchi,K.Miyoshi,T.Watanabe,Y.Arai: "Correlation of Infinite Dilution Activity Coefficients by Group-Contribution Methods-Alkanol+Alkane Binary Systems-" Res.Rep.of Ube National Coll.of Tech.No.43. 47-56 (1997)
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[Publications] K.Fukuchi,K.Miyoshi,Y.Arai: "Measurement and Correlation of Infinite Dilution Activity Coefficients of Ethers in Alkanes" Fluid Phase Equilibria. (in press).