1996 Fiscal Year Annual Research Report
微量有害有機物を分離,濃縮,回収するための膜の設計と製作
Project/Area Number |
07650917
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 尚史 大阪大学, 基礎工学部・化学応用科学科, 教授 (30010771)
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Keywords | 選択透過性膜 / グラフト重合 / Unifac-FV法 / 中空系膜 / パ-ベ-パレーション |
Research Abstract |
研究実績の概要 平成8年度において空気中からのVOCを除去する膜を設計した。設計のためには実験からのパラメータを用いずに、その溶解性・拡散性および透過性を予測する必要がある。VOCとしてはガソリン中に含有される有害なベンゼンを対象とした。Unifac-FV理論によりベンゼンの溶解性をポリマーおよびベンゼンの分子式のみから予測し、実験値と一致することを確認した。また、Free-Volume理論を用い各種ポリマー中でのベンゼンの拡散性を予測し、実験値と予測値が一致することを確認した。基材の膨潤抑制力を表す理論を構築し、この理論により膨潤抑制力が表現できることを示した。また、これらの予測値を基に、ベンゼンのフィリング重合膜透過性をフィッティングパラメーターなしに予測することに成功した。様々なポリマーを充填したフィリング重合膜を想定し、化学式、物性値のみからベンゼン透過性を予測し、ここで挙げた膜設計指針が有効であることを示した。また、ブチルアクリレートを充填した膜はベンゼン/窒素の分離系数が200以上の高い選択性および透過性を示した。 研究の評価 平成8年度の研究より、当初の目標であった膜の設計法がほぼ確立された。今回扱った分離対象はベンゼン蒸気であり、ベンゼンおよび窒素の相互作用は考慮しなくても透過性の予測が可能であった。今後は、ベンゼン/ヘキサンのように2成分間の相互作用を考慮しなければならない系へ、この予測法および設計法を拡張する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Yamaguchi et al: "Chlorinated Organics Removal from Water by Plasma-Graft Filling Polymerized Membranes" AIChE Journal. 42・4. 892-895 (1996)
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[Publications] T.Yamaguchi et al: "Evidence and Mechanisms of Filing Polymerization by Plasma-Induced Graft Polymerization" J.Poly.Sci.,Polym.Chem.Ed.,. 34・6. 1203-1208 (1996)