1995 Fiscal Year Annual Research Report
量子分子動力学による多成分系CVDの反応解析と初期成膜シミュレーション
Project/Area Number |
07650925
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 恒之 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (80170760)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 泰伸 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10231846)
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
|
Keywords | CVD / 分子動力学 / シミュレーション |
Research Abstract |
ジルコニア(ZrO_2)あるいはイットリア(Y_2O_3)の薄膜の熱CVD時における、成膜前駆物質の基板表面での吸着や反応のミクロメカニズムを明らかにする目的で、分子軌道法と分子動力学法を併用することにより、モデル化した系の電子状態を求め、それをもとに単成分および多成分CVDにおける初期膜析出機構を検討する。 本年度は、固体ならびに表面の電子状態および最安定化構造の解析に着手した。基板としてジルコニアなどの酸化物、シリコンなどの半導体、タングステンなどの金属を考え、固体・表面の相安定性、構造変化を古典的動力学法ならびにCar-Parrinelloの方法の適用性を比較しつつ検討する。ジルコニアの場合、単一結晶相が安定して存在する場合については安定した解が得られることがわかった。しかし低い温度から順に単結晶、正方晶、立方晶へと結晶構造を変化させる過程を再現するには、適切なポテンシャルを選択し、かつ原子間距離などのパラメータを正しく入力する必要のあることがわかった。現在、CormackとCastlow (Transport in nonstoichiometric compounds, NATO ASI. Ser. B, 129 (1985)によって提案された原子間ポテンシャルの適用性を検討している。分子の吸着過程を解析するには、表面の電子状態をはじめに決める必要がある。そのため各温度における安定結晶構造を決定する計算コードを早期に開発することが必要である。
|