1996 Fiscal Year Annual Research Report
キトサン・デキストラン複合化蛋白分離剤の開発と大量分取への応用
Project/Area Number |
07650926
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 弘之 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 聡史 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50275278)
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Keywords | キトサン / デキストラン / 蛋白質 / 複合化 / 吸着平衡 / 破過曲線 / クロマトグラフ / 圧密 |
Research Abstract |
イオンクロマトグラフィーが蛋白質の大量分取に有効な方法として注目されている。市販の蛋白分離剤の中で,デキストラン系樹脂が最も大きな吸着量を示すが,物理的に柔らかいためカラム内の圧密が大きく工業的に使用することが出来ない。本研究では,デキストラン樹脂の優れた蛋白分離能を生かすため,硬くて大きな空隙を持つキトサン樹脂との複合化を試みた。キトサン樹脂の空隙にデキストラン-DEAEを埋め込んだ、キトサン・デキストラン-DEAE複合化タンパク分離剤(Ch-Dx-DEAE-2)を開発した。得られた複合化分離剤は硬く,カラム内で圧密を生じなかった。官能基濃度は1735eq/m^3であり、母体であるキトサン樹脂の約2倍の値を得た。牛血清アルブミン(BSA)の飽和吸着量は、市販の硬い樹脂で最も性能が良いと言われているDEAE Sepharose Fast Flow(ファルマシアバイオテク製)の4倍以上となった。BSA吸着平衡関係に及ぼすpHの影響は極めて顕著であった。Ch-Dx-DEAE-2がタンパク質のイオンクロマト分離剤として適用できることがわかった。カラムにBSA溶液を流通させたときの破過曲線の実測値は,粒内拡散抵抗,液相拡散抵抗および軸分散を考慮した理論線と良好に一致した。BSAの個相有効拡散係数Dsは,カラム入口濃度および空塔速度の増加に伴い大きくなった。さらにDsは母体のキトサン樹脂に比べて4〜10倍大きくなった。NaCl溶液による溶離曲線は非常にシャープで,濃縮率も市販の世界的に広く使われている樹脂に比べ4倍以上となった。
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Research Products
(1 results)