1995 Fiscal Year Annual Research Report
Xanthomonas campestris α-アミラーゼの構造と機能
Project/Area Number |
07650964
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安部 淳一 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80128404)
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Keywords | Xanthomonas campestris / α-アミラーゼ / α-サイクロデキストリン / グリコーゲン / 変異酵素 / 立体障害 / 二次構造予測 |
Research Abstract |
Xanthomonas campestris K-11151 α-アミラーゼ(以下XCPAMY)は既知のα-アミラーゼでは極めて分解が困難なα-サイクロデキストリンを可溶性澱粉やアミロースとほぼ同じ速度で分解する。しかしながら、グリコーゲンをほとんど分解することができない。本研究ではまずXCPAMYの塩素配列より推定された一次構造をすでに高次構造が決定されているアミラーゼと比較することにより以下の結論を得た。(1)本酵素も基本的にα-アミラーゼと共通の(α/β)_8バレル構造を持つ。(2)本酵素の活性触媒基はアスパラギン酸197、グルタミン酸225、アスパラギン酸311である。(3)XCPAMYは他のアミラーゼと比較して、活性部クレフトを構成している2番目のループが短く、4番目と6番目のループが長い。この最後の事実がグリコーゲンなどの高度に分岐した高分子の基質に対する作用を阻害していると推測した。そこで、XCPAMY遺伝子の6番目のループに相当する部分を4、8、12アミノ酸残基削除した3つの変異酵素DNAを持つプラスミッドを構築した。それぞれを大腸菌に導入したところ、いずれの変異酵素においてもその発現量が元の酵素に比べ低下していることが認められた。発現された酵素を精製し、それらの作用を調べたところ、4残基削除することによりグリコーゲンに対する選択性が5倍、8残基削除では20倍上昇することが明らかになった。この事はXCPAMY活性中心付近に存在する6番目のループが長いことがグリコーゲンに対する立体障害となっていたことを支持するものである。現在これらの変異酵素の性質を詳細に検討している。
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