1996 Fiscal Year Annual Research Report
Xanthomonas campestris α-アミラーゼの構造と機能
Project/Area Number |
07650964
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
安部 淳一 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80128404)
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Keywords | Xanthomonas Campestris / α-アミラーゼ / 結晶化 / 酸化失活 / メチオニン残基 / 部異指定突然変異 / 耐酸化能 |
Research Abstract |
Xanthomonas campestris K-11151のα-アミラーゼは澱粉だけでなく、プルランやサイクロデキストリンをも強力に分解するユニークな酵素である。本研究ではこのユニークな性質と構造との関係を見出す手始めに、本酵素の結晶化を試みた。さて、この酵素は生産された後ペリプラスミックスペースに蓄積されるが、菌体を破砕しこの酵素を取り出すと、空気中の酵素により参加されて失活することが見出された。そこで、本研究の別の課題として本酵素に耐酸化能を付与することも試みた。本酵素遺伝子をプラスミッドベクターに組み込み、大腸菌で発現した。培地30リットルの菌体から概報の方法で精製酵素約100mgを得た。結晶化条件ハンギングドロップ法で決定した。酵素終濃度10mg/ml、ドロップとリザーバーの硫酸アンモニウム濃度を各々10%、15%、pH4,5、20℃において単結晶が得られた。今後この結晶の解析を行う予定である。さて、本酵素は酸化により失活するが、本酵素中にはシステインは存在しないため、次に酸化されやすいメチオニン(成熟酵素中に9残基)が酸化の原因と考えられた。9残基中、本酵素と構造・性質が似ており酸化に安定なBacillus megateriumのα-アミラーゼと共通する位置にある残基は対象外と考えられた。また、高次構造予測からメインドメイン外、あるいは蛋白質内部に埋もれていると考えられる残基も対象から除外した。残った82番目と373番目の残基のうち、よりアクティブサイト近い82番目のメチオニン残基を部位指定突然変異法によりアラニンに置換した変異酵素遺伝子を作成した。これを大腸菌に導入し、菌体から変異酵素を精製した。過酸化水素による酸化実験の結果、野生型酵素は失活したが、変異酵素は完全に活性を保持した。この事は野生型の酵素の82番目のメチオニンが酸化失活の原因である事を示しており、これをアラニンに置換することにより本酵素に耐酸化能を付与することができた。
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