1995 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌におけるクエン酸生産関連酵素の遺伝子工学を利用した機能解析
Project/Area Number |
07650965
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宇佐美 昭次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90195412)
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Keywords | Aspergillus niger / citric acid production / cloning / expression / filamentous fungus / citrate synthase / isocitrate dehydrogenase |
Research Abstract |
糸状菌Aspergillus nigerにおけるクエン酸の大量生産と密接に関係する酵素は、トリカルボン酸回路のクエン酸シンターゼとNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼであることが判明している。しかし、両酵素の性質については不明な点も多く、他生物起源の酵素との相違点は明らかでない。そこで、本申請研究は、遺伝子工学を利用してクエン酸生産関連酵素の性質を明らかにすることを目的とした。本年度は、とくにクエン酸シンターゼ遺伝子に関する研究を進めた。 1.クエン酸シンターゼ遺伝子の塩基配列決定 A.nigerにおいて当該酵素は精製されていないため、ゲル濾過や液体クロマトグラフィーにより単一に精製し、N末端アミノ酸配列を決定することを試みた。しかし、酵素が不安定なためか精製途中で活性が消失し、完全精製には至らなかった。そこで、真核生物起源の当該酵素に関して保存されているアミノ酸配列をデータベースをもとに決定し、これに相当するDNAプローブを合成し、cDNAライブラリーと染色体DNAライブラリーから当該酵素の遺伝子をクローン化して塩基配列を決定した。クエン酸シンターゼをコードするcDNAは、1,425bpから成り、当該酵素前駆体は475アミノ酸から構成されるタンパク質と考えられた。ミトコンドリア移行シグナルの存在も確認された。 2.クエン酸シンターゼ遺伝子の染色体上における存在状況の確認 クローン化した遺伝子の染色体上における存在状況を明確にすることを目的として、パルスフィールド電気泳動とサザンハイブリダイゼーションを組み合わせた解析を行った。コントロール・モジュール(バイオラッド社製)を購入し、CHEF-DR2システムにより解析し、染色体の1箇所に当該遺伝子が局在することを明らかにした。
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