1996 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌におけるクエン酸生産関連酵素の遺伝子工学を利用した機能解析
Project/Area Number |
07650965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宇佐美 昭次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90195412)
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Keywords | イソクエン酸脱水素酵素 / 遺伝子工学 / クエン酸 / クロコウジカビ / クローニング / 有機酸発酵 |
Research Abstract |
クエン酸生産糸状菌Aspergillus niger(クロコウジカビ)について、クエン酸生産関連酵素をコードする遺伝子に関する研究を進めている。本年度はNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をクローニングして、遺伝子構造を明らかにした。最初に、A.nigerのNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼの精製を試みたが、N末端アミノ酸配列の決定は困難であった。そこで、他起源の生物で決定されている当該酵素遺伝子の共通配列(保存領域)を調べ、相当するDNAプローブを合成して、cDNAライブラリーから陽性のクローンを取得した。陽性クローンが保持するcDNAを大腸菌の当該酵素欠損変異株(グルタミン酸要求性)DEK2004株に導入して栄養要求性の相補試験を行い、形質転換体が原栄養要求性となることを確認した。また、当該形質転換体をM9最少培地にして生育させた場合にNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼ活性が検出された。以上より、取得したcDNAがNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼをコードしていることを確認した。当該cDNAは、1494bpの塩基対より成り498アミノ酸から成るタンパク質をコードしており、アミノ酸レベルでは酵母のNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼと72.6%、ラット、ブタ心臓、ダイズのものと68.0〜66.0%の相同性が認められた。さらに、取得したcDNAをプローブとして染色体DNAライブラリーから約7kbpの染色体断片を取得し、その中に含まれるNADP-イソクエン酸デヒドロゲナーゼをコードする領域約3kbpの全塩基配列を決定した。構造遺伝子中には49〜241bpから成るイントロン7個が存在し、開始コドンより上流485bpおよび592bpにはCAAT配列、450bpにはTATA配列と類似する配列が存在した。
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