1996 Fiscal Year Annual Research Report
細管内流動特性を生かした半導体レーザー検出/超精密流量フロー分析装置の開発
Project/Area Number |
07650982
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊永 隆史 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30124788)
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Keywords | 半導体レーザー / レーザー分光法 / コンピュータ制御 / 長光路フローセル / 超微量分析 / リン / シリカ / 装置開発 |
Research Abstract |
半導体レーザーと細く長い光路長をもつフローセルを組み合わせることにより,フローインジェクション分析法(FIA)や高速液体クロマトグラフ法(HPLC)などのフロー分析装置全般に適した高感度なフロー分析用検出器を開発した。この高感度検出システムは,ポリテトラフロオルエチレン製円筒に細く,長い光路(内径1.4mm,長さ100mm)を設けたフロー吸収セルと,発光波長780nmのGaAlAs半導体レーザーを光源として構成され,あらゆるフロー検出系に適用可能な機能を有する。このようなレーザー分光検出システムを使用すれば,通常のFIA-吸光光度法(10mmセル使用)に比べ10倍高感度となる。 既存のレーザー分光フロー分析法関連研究の経過を踏まえ,この検出器システムの適用例の一つとして,全リンのモリブデン青-吸光光度法への応用について検討した。相対標準偏差は1.0%(n=10,20μg P/l),検出限界濃度と検量線直線範囲はそれぞれ0.6(3σ)及び(1.0〜50)μgP/lであった。環境水試料測定への応用結果は,公定法とほぼ相関関係にあることがわかった。同様に,この高感度検出システムは各種水試料中の溶存状の超微量シリカ高感度分析にも適用例が示され,好結果が得られることを明らかにした。さらに,将来はHPLCを含んだフロー法分析システム全般に広く応用研究され,実用面で有益な成果をもたらすことが期待される。
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[Publications] Takashi KORENAGA,Fusheng SUN: "Determination of Dissolved Silica in Waters by a Flow-Based Analysis System Composed of a Laser Diode and a Thin Flow-Through Cell" Analytica Chimica Acta. 318・2. 195-202 (1996)
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[Publications] Takashi KORENAGA,Fusheng SUN: "High Sensitivity Flow-Based Analysis Using a Semiconductor Laser and Thin Long Flow-Through Cell for the Determination of Total Phosphorus in Water" Talanta. 43・9. 1471-1479 (1996)
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[Publications] 伊永隆史: "レーザー分光法による生物圏環境モニタリングの研究" 富山県高等教育振興財団研究助成事業報告書. 6. 65-74 (1996)
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[Publications] 伊永隆史: "細管内流動に伴う試料溶質の対流・拡散現象解析装置の開発" ぶんせき. 95・2. 145-151 (1995)
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[Publications] 伊永隆史: "細管内流動に伴う試料溶質の対流・拡散現象解析装置の開発-液混合やグランジエントに適した新方式マイクロポンプの設計に向けて-" 分析化学中部夏期セミナー報告集. 14. 5-16 (1995)
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[Publications] Takashi KORENAGA,Xiaojing ZHOU: "Computer-Controlled Micropump Suitable for Precise Microliter Delivery and Complete In-line Mixing" Analytical Chemistry. 66・1. 73-78 (1994)
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[Publications] 伊永隆史: "研究成果報告書" 島津科学技術振興財団, 129 (1996)
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[Publications] 小島次雄,伊永隆史: "創造機能化学第116委員会業績報告" 日本学術振興会, 240 (1994)