1995 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノスペース・π電子系の構造・物性制御、機能発現
Project/Area Number |
07650986
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
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Keywords | リチウム二次電池 / メソカーボンマイクロビーズ / 表面フッ素処理 / リチウム二次電池炭素負極 / 充放電特性 |
Research Abstract |
1.メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)の表面フッ素処理によるナノスペース構造とπ電子系の物性制御 (1)1000℃熱処理(MCMB-1000)および2800℃熱処理(MCMB-2800)試料をF_2-1atm、200℃、5days、0.2atm、25℃、15minの条件でフッ素処理した。MCMB-1000からは、C_<0.7>FとC_<0.9>Fが生成し、MCMB-2800からはC_<6.7>FとC_<30>Fが生成した。 (2)フッ素処理の前後でXRDパターンに変化が認められず、フッ素付加は最表面のみであることが解る。XPSのClsおよびFlsスペクトルの解析から、C_<0.7>FとC_<0.9>FにおけるC-F結合は共有結合であり、C_<6.7>FとC_<30>Fでは半イオン性であること、何れのC_xFでも、バルク層では、π電子系が完全に保存されていることが明らかにされた。 2.表面フッ素処理MCMB(F-MCMB)のリチウム二次電池炭素負極としての性能評価 F-MCMBを正極とするリチウム二次電池F-MCMB/LiClO_4-PC/Liおよび、F-MCMB/LiClO_4-(EC+DEC)/Liを試作し、サイクリックボルタンメトリーによる溶媒の分解と充放電特性を調べた。 (1)MCMB-2800から得られたC_<6.7>FとC_<30>F電極では、溶媒の分解が観測され、可逆容量は未処理MCMB-2800よりも低下するなど、負極特性の向上は認められなかった。 (2)MCMB-1000から得られたC_<0.7>FとC_<0.9>F電極では、電解液として、EC+DEC系を用いた場合、著しい負極特性としての向上が認められた。例えば、5サイクル目の放電容量は222mAh/gであり、クーロン効率は91%であった。未処理のMCMB-1000は3サイクル以降では可逆容量が殆ど0である。 表面のナノスケール細孔構造、電子状態との関連が次年度の課題である。
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