1996 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電解法による二酸化炭素還元生成物の反応選択性の研究
Project/Area Number |
07651000
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
野上 暁一 九州工業大学, 工学部, 教授 (00039116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白土 竜一 九州工業大学, 工学部, 助手 (10216195)
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Keywords | 二酸化炭素 / パルス電解 / 反応選択性 / 安定性 |
Research Abstract |
二酸化炭素の電気化学的固定化において、反応の選択性を実現し、所望の生成物を得ることが出来れば実用上、大きな意義がある。また、実用上避けて通れない問題は、電極の劣化をどう防ぐかである。本申請者が提案したパルス電解は、この2つの目的を達する上で有効であることが明らかにされた。パルス電解とは、通常の定電位電解、定電流電解と異なり、外部バイアスを矩形パルスとし、カソ-ディクバイアスV_Cとアノ-ディクバイアスV_Aを交互に印加するもので、例えば、通常の電気化学還元のようにカソードバイアスを定常的に印加することによて反応が最終まで進行して炭素になるのを意図的に止め、中間生成物から、所望の生成物を得ようとするものである。V_C、V_A及びその周期T_C、T_Aの最適化によって銅、銀電極上で、メタン(CH_4)、エチレン(C_2H_4)及水素(H_2)の収率を変えることに成功した。特に銀の主たる生成物はCOとされていたが、銅電極と同様CH_2、C_<>H_4が生成されるほか、C_2H_5OH等アルコールも生成され、しかも、バイアスによってそれらの相対収率が大幅に変化する。電解液に添加するハロゲンイオンの種類を変えて、炭化水素化反応の選択性を調べた。(水和イオン半径ではなく)裸のイオン半径が増加するにつれて(F^-<Cl^-<Br^-<I^-)、CH_2、C_2H_4の収率が増加し、水素の生成が減少することが見出された。これは、イオン半径の小さなハロゲンイオンほど、より多く電極に吸着し、CO_2の吸着を妨げる為と思われる。同時にパルス電解によって、電極の劣化が防げ長時間電解が可能なことも再確認された。金、銀、白金およびそれらの合金についてもパルス電解を行い、得意な選択性を示すことを見出した。
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