1995 Fiscal Year Annual Research Report
水素吸蔵合金/気相界面を反応場とする活性水素反応系の電気化学的構築
Project/Area Number |
07651001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩倉 千秋 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00029183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 博史 広島大学, 工学部, 助手 (00213174)
福本 幸男 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (80081339)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / パラジウム / 活性水素 / 水素添加反応 / スチレン / エチルベンゼン / 水素拡散係数 / Volmer-Tafel機構 |
Research Abstract |
平成7年度に得られた知見をまとめると以下のようになる。 1)水素吸蔵金属(合金)上での水素添加反応 水素を可逆的に吸蔵・放出することが知られているパラジウム板電極をカソードとして用いて水素発生反応を行い、生成した水素をパラジウム内に優先的に吸蔵させた。そして、パラジウム内に吸蔵された後、拡散して背面に到達した活性水素を用いて、スチレンからエチルベンゼンへの水素添加反応を行った。その結果、1)エチルベンゼン生成量は、電解電流に依存する誘導時間の後、電解時間の経過とともに直線的に増大すること、2)エチルベンゼンの生成速度は電流密度の増大とともに増大すること、および、3)この反応は90%を越える電流効率で進行することなどが明らかになった。これとは別に、LaNi_5などの水素吸蔵合金からなる電極についても基本的に同様の反応を進行させうることも明らかになった。 2)水素吸蔵合金の作製および合金内での水素の拡散パラメーターの評価 MmNi_<4.5>Al_<0.5>合金の一部を異種元素(M=Cr,Mn,Fe,Co,Ni)で置換したMmNi_<4.2>Al_<0.5>M_<0.3>合金を作製し、電位ステップ法により水素吸蔵合金内部での水素の拡散係数を評価した。その結果、Mの原子半径が大きいほど格子体積は増大して吸蔵水素の安定性は大きくなった。それにつれて、格子体積の増大による格子間位置の水素占有エネルギーの低下および吸蔵水素の安定性の増大のために、Einsteinの拡散係数は小さくなった。また、Mm(B_5)_x(B_5=Ni_<3.6>Mn_<0.4>Al_<0.3>Co_<0.7>,0.88≦x≦1.12)合金を作製し、それらの水素電極反応についてカレントインタラプター法により検討した結果、x値によらずVolmer-Tafel機構で進行することを明らかにし、しかもx値が増大するほどTafel反応が効果的に抑えられ、合金内への水素の吸蔵が促進されることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chiaki Iwakura: "Effect of Alloy Composition on Hydrogen Diffusion in the AB_5-Type Hydrogen Storage Alloys" J.Electroanal.Chem.398. 37-41 (1995)
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[Publications] Hiroshi Inoue: "Successive Hydrogenation of Styrene at a Palladium Sheet Electrode Combined with Electrochemical Supply of Hydrogen" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.55-56 (1996)
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[Publications] Chiaki Iwakura: "A New Successive Hydrogenation System of Styrene Using Two-Compartment Cell Separated by a Pd Sheet Electrode" J.Electrochem.Soc.(in press). (1996)
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[Publications] Chiaki Iwakura: "Kinetics of Hydrogen Evolution Reaction at Stoichiometric and Nonstoichiometric Hydrogen Storage Alloys for Nickel-Hydrogen Batteries" J.Electroanal.Chem.(in press). (1996)