1995 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物架橋フッ素雲母のピラ-密度制御と焼結体の性質
Project/Area Number |
07651014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北島 圀夫 信州大学, 工学部, 教授 (30021009)
|
Keywords | アルミナ架橋体 / クロミア架橋体 / フッ素雲母 / 層間挿入反応 / 多核ヒドロキソ錯体 / ナノコンポジット / ピラ-密度制御 / 焼結体 |
Research Abstract |
ホスト結晶としてNa型テニオライト系フッ素雲母を選定し,異なる条件下で調製した各種多核ヒドロキソ錯イオン水溶液を用いて複合体生成反応を行うことにより,ピラ-密度および細孔特性を制御した高熱性のアルミナ架橋及びクロミア架橋フッ素雲母の創製を試みるとともに,架橋フッ素雲母の底面間隔値,比表面積,細孔特性等に与える諸因子(溶液の調製条件,ホスト結晶の層電荷,加熱処理条件,ピラ-密度)の影響を明らかにすることを目的として検討した結果,次のことが明らかになった。 1)多核ヒドロキソCrイオン水溶液中には三量体,四量体等のオリゴマーや幅広い重合度を持つポリマーが存在し,これらイオン種の量比は主にOH/Cr比および熟成条件で決定されることを明らかにするとともに,ホスト結晶の層電荷により層間挿入反応時にイオン交換選択性が生じることをつきとめた。 2)また,反応条件と層間Cr収容量並びに層間物質の平均加水分解度の関係を明らかにするとともに,これら層間挿入物質の性状により架橋体の比表面積および細孔径分布の温度特性が規定されることを解明した。 3)層電荷の異なるLi交換型雲母結晶に着目し、従来検討されていない高重合度の多核ヒドロキソAlイオンによる層間挿入反応を試み,高重合度の多核ヒドロキソAlイオンを層間挿入することによりアルミナ架橋雲母としては細孔特性を喪失するが,最高の耐熱性とAl収容量を持つ特異な新規アルミナナノコンポジットが得られることを見出した。なお,今後はこれらナノコンポジットの焼結能を調べる予定である。
|