1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07651022
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
久米 昭一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (00029604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 啓佑 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20234817)
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Keywords | 圧力誘起非晶質化 / ゾル-ゲル法 / 酸化ゲルマニウム / 高密度非晶質 |
Research Abstract |
平成7年度の実験ではGe-イソプロポキシドにアセチルアセトンを加え加水分解したものを徐々に乾燥させるとゲル化するが、シネレシスを起こして透明な円盤状に固化する場合とシネレシスを起こさない場合との2通りの結果が得られた。いずれの場合もX線解析像はハロ-のみであることから生成物は非晶質であることが確かめられた。これらの非晶質は空気中加熱によっても450℃までは結晶化しなかった。加熱温度が500℃に近づくとどちらの試料も結晶化し始めたが、シネレシスを起こした試料(非晶質(a))の回析像はルチル型として固定され、シネレシスを起こさなかった試料(非晶質(b))からの結晶はα-セキエイ型として固定された。また500℃までの加熱では試料中に有機物が残留し、試料は黒色を呈した。有機物を完全に分解し、透明な固体化にするには800℃の加熱が必要であった。 非晶質(a)が加熱によってルチル型結晶に変わることから、結晶化する前の相の局所構造はルチル型相に近く、非晶質構成のユニットとしてGeO_68面体が主体となっている可能性の高いことが予想された。もしこれが事実とすれば本研究の目的である高密度非晶質あるいはこれを局所的に含む物質が合成されたことになる。これに対し非晶質(b)ではGeO_44面体を構成要素としていることが考えられる。 今後の課題として(1)同じ原料から出発してもシネレシスを起こすとは限らないので、その原因の解明、(2)非晶質(a)の中の有機成分を完全に分解するために加熱すると非晶質が結晶化する危険があるので、これを回避する方法の吟味、および(3)有機物除去後の試料の特性評価法の検討が挙げられる。この3点について、(1)では合成実験の際に湿度制御、(2)に関しては試料の酸素雰囲処理、(3)では密度測定、赤外吸収スペクトル回析、EXAFS解析を順次実施の予定である。
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[Publications] O. Ohtaka: "Structural Analysis of Orthorhombic Hafnia by Neutron Powder Diffraction" J. Am. Ceram. Soc.78. 233-237 (1995)
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[Publications] S.Kawasaki: "Crystallization of Pressure-amorphized GeO_2" J. Materials Sci. Letters. (accepted). (1996)