1995 Fiscal Year Annual Research Report
単核および複核ルテニウム-ヒドラジン錯体の合成と反応性
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07651057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70159143)
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Keywords | ルテニウム / チオラート / セレノラート / 配位不飽和 / 錯体 / アンモニア / ヒドラジン |
Research Abstract |
本年度の研究により、配位不飽和な16電子チオラート錯体Ru (C_6Me_6)(1,2-benzenedithiolate)(1)および16電子セレノラート錯体Ru (arene)(SeAr)_2(2)の合成に成功した。錯体1とアンモニアおよびヒドラジンとの錯体形成をおこない、アンモニアがルテニウムに配位した錯体およびヒドラジンがそれぞれの窒素がルテニウムに配位した架橋型の2核錯体錯体が生成することを見いだした。この錯体のX線構造解析により、架橋配位子であるヒドラジンの水素が硫黄と水素結合により相互作用していることを見いだした。水素結合がこれらのチオラート錯体との錯体形成において重要であることを明らかにすることができた。今後、金属酵素であるニトロゲナーゼの活性部位での窒素還元反応の素反応を解明する上で重要となると考えられる。 つぎに、セレノラート錯体2とヒドラジンおよびアンモニアとの錯形成について検討した。その結果、いずれの場合もヒドラジン錯体およびアンモニア錯体となることがわかった。しかしながれ、錯体2から誘導された化合物は硫黄の錯体に比べ不安定である。このことは、硫黄およびセレンとの水素結合の強さをはんえいしていることが示唆される。 研究成果は現在、論文としてまとめ投稿中である。
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