1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07651068
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
磯村 計明 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (80037887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 健司 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助教授 (50249877)
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Keywords | 蛍光 / 有機電界発光 / ピラジン環 / 合成 / キノキサリン環 |
Research Abstract |
蛍光物質の種々の分野で応用されているが、最近では有機電界発光による視認性の高いディスプレイ用材料として期待されている。本研究はピラジン誘導体が蛍光性を示すことを端緒として、多種の官能基を有するピラジンの合成を行いその蛍光発光特性を明らかにすることを目的として行ったものであり、主な成果は次の通りである。 1.メチルピラジン誘導体とカルボニル化合物の反応についで脱水による方法でアルケニルピラジンを、α・アジドアリールケトンとトリフェニルホスフィンの反応により種々の官能基を持つ2,5-ジアリールピラジンをそれぞれ合成できることを明らかにした。さらに、アリールグリオキサールまたはα・ブロモアリールケトンとo-フェニレンジアミンの反応によってピラジンを含む縮合環であるキノキサリン誘導体が高収率で得られることを明らかにした。 2.ジアリールピラジン誘導体では、メトキシフェニル基、フリル基などの電子供与性の置換基あるいはナフチル基のようなπ共役系の大きい置換基の導入により、強い蛍光発光が観測された。特にフリル基の導入は蛍光性の増加に最も効果があったが、化合物自身の安定性が低いことがわかった。 3.アリールキノキサリン誘導体においても、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等の強い電子供与性基の導入によって蛍光性の増加が観測された。これらの化合物の蛍光発光強度はジアリールピラジン系の化合物に比べて数分の一と低下するものの、いずれも安定なものであった。さらに適当な置換基を導入することによって、安定かつ高輝度な蛍光物質が得られると考えられる。
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