1995 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖に五員環ラクトンを有するポリマーの合成とその開環-閉環挙動に関する研究
Project/Area Number |
07651071
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
木村 隆夫 宇都宮大学, 工学部, 助手 (10114159)
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Keywords | 五員環ラクトン / 4-ブタノリド誘導体 / ジアミン / 重合 / 縮合素ポリマー / モデル反応 / 開環-閉環挙動 / NMRスペクトル |
Research Abstract |
1.メタクリル酸t-ブチルに対してブロモトリクロロメタン、イタコン酸ジメチルに対して四臭化炭素をそれぞれ連鎖移動剤に用いてラジカルテロメリゼーションを行い、環状二付加物に相当する4-ブタノリド誘導体を得た。次に加水分解等により2,4-位にカルボキシル基を導入してジ-、トリ-及びテトラカルボン酸とし、さらに酸クロリドまたは酸無水物に誘導することにより、6種類の新規モノマーが合成できた。 2.脂肪族、芳香族の各種ジアミン、ジオールを用いて上記モノマーの重縮合または開環重付加反応を行うことにより、主鎖に五員環ラクトンを有するポリアミド、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド酸及びポリイミドが得られた。この際、合成できたポリマーの分子量及び分子量分布に関する評価をGPCで行ったが、補助金により購入したクロマトデータ処理装置が測定の迅速化と精度の向上につながり、大いに役立った。 3.各モノマーの反応性を明らかにするために、上記ポリマーを得る反応条件下で対応するモノアミン、モノオールを求核試薬に用いて重合のモデル反応を行った。この反応を通して得られる閉環型または開環型のジアミド体、ジエステル体を基質に用いて、そのラクトン部位の開環-閉環挙動をFT-NMRで追跡し、基質構造の違いによる内的因子、溶媒・温度・pH・触媒・酵素など外的因子の影響をそれぞれ調べた。その結果、開環-閉環が可逆形な反応であること、また内的及び外的諸因子の影響を非常に受けやすい反応であることを明らかにした。 4.モデル反応で得られた知見をもとに標題ポリマーで実際の開環-閉環挙動を調べた。この際、水溶性を示すポリアミドでは、周囲温度の変化に対応して可逆的にその水溶液の透過率が変化することを補助金により購入した温度可変型の紫外可視分光光度計で確認することができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takao Kimura: "Reactivity of Telamers IV, Catalytic Reaction of t-Butyl 2-Bromo-4,4,4-trichloro-2-methylbutyrate with Copper Powder" Polymer Journal. 27. 1194-1201 (1995)