1995 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフルオロアルキル基を測鎖に有する全芳香族ポリケトンの合成
Project/Area Number |
07651072
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
米澤 宣行 群馬大学, 工学部, 助教授 (10167033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 京子 群馬大学, 工学部, 教務員 (20225501)
片貝 良一 群馬大学, 工学部, 教授 (10008500)
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Keywords | 芳香族ポリケトン / トリフルオロメチル基 / 親電子芳香族置換反応 / 直接縮合 / アシル供与モノマー / アシル受容モノマー / 芳香族カップリング反応 / ザンドマイヤー反応 |
Research Abstract |
測鎖にトリフルオロメチル基を持つ新規芳香族ポリケトンの合成を検討した。1)モノマー前駆体の合成 トリフルオロメチル基を持つ芳香環化合物の官能基変換によるトリフルオロメチル基,ハロゲン,カルボキシル基等価体の3つの異なる置換基を持つ芳香族化合物の合成法を検討した。合成経路としてニトロ基・アミノ基からシアノ基に至る方法を採用し,鍵反応のザンドマイヤーシアノ化反応で,シアノ化試薬に特別な複塩を用い,精製を昇華で行なう工夫をして,高収率の変換に成功した。さらに,この方法を類縁化合物に展開してこれらの物質の一般的合成方法として確立した。2)モノマーの構造設計と合成 モデル反応の結果,アシル供与モノマーにトリフルオロメチル基を導入し,アシル受容モノマーにはアニソール程度の活性を持たせることで,重合反応を継続的に維持できるレベルの反応性が得られることが分かった。このモノマーに必要な構造的条件を基に二分子型重縮合に対応したモノマーを設計し,芳香族カップリングと官能基変換によるその合成を検討してフッ素含有基を持つジカルボン酸型アシル供与モノマーの合成法を確立できた。3)高分子合成 重合は親電子芳香族置換反応で行ない、フリーデル-クラフツ反応と直接縮合の2通りを検討した。その結果,アシル受容型モノマーに2, 2'-ジメトキシビフェニルを用いた直接重縮合でインヘレント粘度が約0.1L/gのポリケトンが得られた。NMRスペクトル解析から,反応が位置選択的・反応選択的にメトキシ基のパラ位で進行していることと重合度が評価できるレベルまで上がっていることが確認できた。インヘレント粘度が低いことの大きな要因は分子間相互作用が小さいなど,粘度を上げる要因がフッ素の導入により抑制されているためではないかと考えられる。融点やガラス転移点と構造との関係の解明についてはさらに合成化学的検証が必要と考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yonezawa, Noriyuki: "SYNTHESIS OF 3-TRIFLUOROMETHYL-4-HALOBENZONITRILES" Synth. Commun.(印刷中). (1996)
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[Publications] Yonezawa, Noriyuki: "Synthesis of Aromatic Polyketones by Using Biphenylene Monomers" Reactive and Functional Polymers. (印刷中). (1996)
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[Publications] Yonezawa, Noriyuki: "Proceedings for China-Japan Bilateral Symposium on Polymer Meterials Science, Eds. Pan, Caiyuan; Uryu, Toshiyuki" Press of University of science and Technology of China, Hefei, P. R. China, 250 (1995)