1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07651078
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 雄資 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (80109280)
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Keywords | ランタニド / ビニルケトン / ビニルエーテル / カチオン重合 / リビング重合 / 立体特異性重合 / シラン / 脱水素カップリング反応 |
Research Abstract |
希土類金属錯体のイオン性、立体化学を制御して、ビニルケトンや、シリル、アルキルビニルエーテルの立体特異的リビング重合触媒を開発することを第一の目的とした。ランタニドトリフラートがビニルケトンの重合に対して活性を示したが再現性に乏しかった。ランタニドアルコラートや、トリフラートを用いる反応では、これらモノマーがテトラヒドロフランなどの溶媒中で重合することを見いだしたが、重合度の制御にまでは至らなかった。しかし、この反応は、カチオン重合に重要な知見を提供すると思われるため、安定な錯体を合成するために、新たに、ヘキサ(ペンタフルオロフェニル)ホスフェートを対イオンとする錯体の研究を続行中である。 希土類金属化合物の含シリコン化合物との反応の解明を第二の目的とした。チタノセンやジルコノセンがシランの脱水素カップリングに有効な触媒となることを見いだすことができた。この反応を用いて両末端に種々の2官能性のシラン化合物より重合度が低いながらもポリマーを合成することができた。特に、芳香族系のジシランの反応は、新規な導電性ポリマーなどを与える可能性があり、研究をさらに継続している。また、官能基を同一シリコン原子上にもつ化合物からは、枝分れ型のポリマーを合成できることが分かった。これらの研究の過程で、パラジウムなどの貴金属の触媒作用が顕著であることが認められたので、これら金属とランタニド金属との違いについても検討した結果、ランタニド金属の活性は必ずしも高いものでないことが分かった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Mori: "A Facile Synthesis of Disiloxane with Functional Groups." Chem. Lett.107-108 (1995)
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[Publications] T.Sano: "Silicate Membrane for Separation of Acetic Acid/Water Mixture." Chem Lett.153-154 (1995)
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[Publications] Y.Kawakami: "New Polydiene Side‐Chain Liquid Crystalline Polymers. Synthesis and Microstructure." Macromolecules. 28. 816-826 (1995)
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[Publications] T.Sano: "Separation of methanol/methyl‐tert‐butyl ether mixture by pervaporation using silicalite membrane" J. Membr. Sci.107. 193-196 (1995)
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[Publications] Y.Kawakami: "Synthesis and Characterization of Side‐Chain Liquid Crystalline Polydienes and Their Hydrogenated Derivatives." Polym. J.(印刷中). (1996)
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[Publications] 森 敦紀: "環状シロキサン、ポリジメチルシロキサンの開裂反応を利用する官能基をもつオリゴシロキサンの合成" 接着学会誌. (印刷中). (1996)
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[Publications] 山下雄也監修(川上雄資分担執筆): "高分子合成化学" 東京電機大学出版局, 415 (1995)
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[Publications] L.A.Paquette Ed.(Y.Kawakami,一部執筆): "Encycl. Reagents Organic Snth. Vol.2" John Wiley & Sons, 1526 (1995)