1995 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族ビスケテン化合物を用いる芳香族ポリエステル・ポリアミドの新規合成法
Project/Area Number |
07651083
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 敬人 三重大学, 工学部, 教授 (90126954)
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Keywords | 芳香族ビスケテン化合物 / キノン / キノンジイミン / 芳香族ポリエステル / 芳香族ポリアミド / 合成 / 光反応 |
Research Abstract |
1.アントラセン骨格及びナフタレン骨格の芳香族ビスケテン化合物(9,10-ジカルボニル-9,10-ジヒドロアントラセン(1)及び1,4-ジカルボニル-1,4-ジヒドロナフタレン(2)の合成に成功した。 2.化合物1と2は置換ベンゾキノン化合物と脱気ベンゼン中で反応して、ポリマーを生成することを見いだした。得られたポリマーはモデル化合物との比較から芳香族ポリエステルであることが明らかになった。とくに長鎖の置換基を有するベンゾキノンとの反応では、ポリマーの溶解性が向上し、分子量数万のポリエステルであることがわかった。 3.ベンゾシクロブテンジオン(3)と置換キノン類(ベンゾキノン、ドデシルチオベンゾキノン)を種々の溶媒(ベンゼン、アセトニトリル、クロロホルム)に溶解し、高圧水銀ランプで光照射すると、3はオルト型芳香族ビスケテン化合物(1,2-ジカルボニル-1,2-ジヒドロベンゼン(4))を生成、置換キノン類と反応して、分子量2000〜3000程度の芳香族ポリエステルを生成することがわかった。ポリマーの溶解性が高いので、今後ESR測定を通して、この反応を解明する予定である。
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