1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07651090
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
田渕 研三 新居浜工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (00044090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 克彦 新居浜工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (40149977)
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Keywords | 塩化N-セチルピリジニウム / チオシアン酸カリウム / メタクリル酸メチル / オリゴマー / ピリジニウムチオシアネート / ジヒドロピリジン / 光重合 |
Research Abstract |
水-有機2相系において、塩化N-セチルピリジニウム(CPC)とKSCNを用いてメタクリル酸メチル(MMA)の光重合を行うとオリゴマーが生成する。本年度は、水-酢酸エチル2相系における合成法について、総括的に検討した。 オリゴマーの合成は、100Wの高圧水銀灯を備えた内部照射型光反応装置を用い、窒素による通気攪拌をしながら303Kで行った。反応終了後、メタノールを加えてポリマーが沈殿しないことを確認した後、クロロホルム抽出を行い、抽出液を濃縮して粗オリゴマーを採取した。粗オリゴマーはシリカゲルカラムで精製し、純粋なオリゴマーとした。 CPCは水にも有機相にも少量しか溶けないが、過剰のKSCNを添加すると有機相には容易に解けるようになる。これはチオシアン化N-セチルピリジニウム(CPT)が生成したことを示している。CPC濃度を固定し、それより高濃度範囲でKSCN濃度を変化させた場合、オリゴマーの収量はほとんど変化しなかった。これは、CPCとKSCNを混合すると直ちにCPTに変化することを示している。一方、KSCN濃度を固定し、それより低濃度範囲でCPC濃度を変化させた場合、オリゴマーの収量はほとんど変化せず、オリゴマーの生成速度は見かけ上CPT濃度に依存しなかった。これは、CPT濃度が高いと分子量の小さいオリゴマーが数多く生成し、CPT濃度が低いと比較的分子量の大きいオリゴマーが数少なく得られることを示している。得られたオリゴマーについてGPC分析を行うと、分子量分布に3つのピークが見られた。これから、生長ラジカル同士の結合によって得られるオリゴマー、生長ラジカルとピリジニルラジカルの結合によって得られるオリゴマー及びピリジニルラジカル同士の結合によって得られる物質が混合していることが推測された。
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Research Products
(1 results)