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1996 Fiscal Year Annual Research Report

高分子の結晶化におよぼすトポロジー的斥力の役割

Research Project

Project/Area Number 07651100
Research InstitutionFukui University

Principal Investigator

岩田 一良  福井大学, 工学部, 教授 (00020230)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 光也  福井大学, 工学部, 教務員 (40227179)
Keywords高分子結晶 / トポロジー的斥力 / 結晶化学 / アモルファス相の構造 / からみ合い / 計算機シミュレーション
Research Abstract

高分子の結晶では結晶相とアモルファス相が混在するのが普通であるが、アモルファス相の構造についてはまだあまり良く分かっていない。ここでは、高分子が融液から結晶化する際、高分子間の絡み合いが結晶相から追い出されてアモルファス相に濃縮され、それに伴ってアモルファス相の自由エネルギーが急激に増大し、結晶化を妨げるという新しい仮説を提案した。この仮説を検証するために、絡み合いが高度に濃縮された状態の計算機シミュレーションを行った。このようなアモルファス相のモデルとして,環状高分子が絡み合って形成される,いわゆるカテナ網目を用いた。絡み合い状態,高分子数,およびエレメントの濃度を一定に保ったままで鎖長を変化させ,多数の絡み合い濃度の異なる平衡サンプルを作り,その構造や,熱力学的,機械的性質を求め,結晶性高分子固体の構造と性質について考察した。以下,その結果を箇条書きに記す。
1)アモルファス中のエレメントの化学ポテンシャルを絡み合い濃度の関数として数値計算し、このポテンシャルが「局所結び目」間の斥力に由来することを明らかにした。
2)この化学ポテンシャルと結晶化エントロピーを用いて、結晶化温度と結晶化率の関係を求め、既存の測定結果を良く説明できることを見いだした。
3)アモルファス相中で、高分子鎖は異常な状態にあり、高分子鎖の全体の形状(Rgなど)はあまり変わらないが、局所的に伸びた形態を取っていることを見いだした。
さらに現在、アモルファス相の剛性率などの機械的性質をシミュレーションで計算している。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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