1995 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解光導波路法による強誘電高分子液晶の高速スイッチング機構の解明
Project/Area Number |
07651105
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 紳三郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50127049)
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Keywords | 高分子液晶 / 強誘電性液晶 / 光導波路 / 時間分解 / 光スイッチ / 分子配向 / ダイナミックス |
Research Abstract |
本研究では時間分解光導波路測定法を開発し、これを高分子強誘電性液晶に適用して、そのキラルスメクチック(SmC*)相が外部電場にたいして示す特異なスイッチング挙動を解析することを目指している。本年度は研究の基礎を固めるため、以下のような項目について研究を行った。 1.ナノ秒時間分解光導波路測定装置の開発 強誘電性液晶はマイクロ秒域のスイッチング速度をもつため、これに十分対応できる光導波路測定装置の開発をおこなった。その結果、30ナノ秒の時間分解能で光導波パターンを測定し、試料のもつ膜厚や誘電率の異方性などの光学パラメータの測定ができることが確認された。 2.低分子モデル液晶のダイナミックス研究 開発した光導波路測定装置の性能と測定結果の理論解析を実証するため、比較的内部構造やスイッチング挙動が単純な低分子ネマチック液晶や低分子強誘電性液晶の解析を行った。この場合、液晶配向系はxyz実験室系に配置された屈折率楕円体として捕らえられ、その分子座標系-abcの主値na、nb、ncおよびabc系のxyz系からのオイラー角で記述された。パルス電場を加えたときの液晶層内における分子回転の様子がネマチック液晶については、詳細に解析することができた。また強誘電性液晶については構造モデルと理論との一致が悪く、適当な構造モデルを探索している。 以上の基礎研究により測定解析技術の確立ができたため、今後は高分子強誘電液晶の測定に重点をおいて研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)