1996 Fiscal Year Annual Research Report
半屈曲性高分子の濃厚溶液中でのダイナミックス:光学ラベル化動的光散乱法による研究
Project/Area Number |
07651110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 尚弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10196248)
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Keywords | 半屈曲性高分子 / 濃厚溶液 / ダイナミックス / 動的光散乱 / 拡散係数 / ファジ-円筒モデル理論 / 持続長 / 光学ラベル化動的光散乱 |
Research Abstract |
1.等屈折率であるポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)とトルエンの希薄/準濃厚溶液に、光散乱能のあるベンジルエステルを側鎖に有するポリイソシアナ-トを溶かした系について光学ラベル化動的光散乱測定を行い、見かけの拡散係数を求めた。得られた見かけの拡散係数をラベル化高分子[ベンジルエステルを側鎖に有するポリイソシアナ-ト]濃度ゼロに外挿して、ラベル化高分子のマトリックス高分子[ポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)]溶液中での自己拡散係数をマトリックス高分子の濃度の関数として求めた。 2.上の3成分溶液に対する光学ラベル化動的光散乱測定で得られる時間相関関数をファジ-円筒モデルを用いて定式化し、実験で観測された相関関数の僅かな非指数関数的減衰挙動の起源を明らかにした。 3.前年度測定した、ポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)のジクロロメタンを溶媒とする2成分準濃厚溶液に対する時間相関関数(動的構造因子)をファジ-円筒モデルを用いて定式化し、測定した最高分子量(80万)の試料において見いだされた非指数関数的減衰挙動について、その起源を考察した。 4.ファジ-円筒モデル理論に高分子間の流体力学的相互作用の効果を新たに考慮に入れ、上記の項目1と3で述べた系の自己拡散係数および相互拡散係数を定式化し、本研究で得た実験結果と比較した。理論中に含まれるパラメータとして、以前にポリ(ヘキシルイソシアナ-ト)溶液のゼロずり粘度の実験と理論の比較から決定したのと同じ値を用いることにより、自己・相互拡散係数の実験結果も定量的に再現できた。すならち、半屈曲性高分子濃厚溶液のゼロずり粘度と拡散係数がファジ-円筒モデル理論によって首尾一貫して説明された。
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