1995 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマーブレンド・アロイの相構造予測の計算機シミュレーション
Project/Area Number |
07651111
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶原 稔尚 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10194747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船津 和守 九州大学, 工学部, 教授 (80037960)
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Keywords | 高分子複合材料 / ポリマーブレンド / ポリマーアロイ / 粒子シミュレーション / 分子動力学 / 構成方程式 |
Research Abstract |
まず、相構造予測のモデルの構築に関しては、これまで国内外で行なわれてきた研究成果を検討してきた。熱による相構造変化予測の研究はかなり行なわれているが、流動誘起による相構造変化予測はほとんど行なわれていない。しかし、流動変形をエネルギー変化の観点で捉えれば、熱による相分離の理論と関係づけられることが示唆された。また、外部変形による相構造の変形はモデル化できるが、液滴の分裂等の予測にはなんらかの分裂モデルが必要となった。このモデルには、繊維の配向・変形・破断の予測に成果を修めている粒子シミュレーションを液滴に応用することで解決できると考えた。そこで本年度は、三次元粒子シミュレーションのプログラムを開発し、充填繊維や凝集粒子塊の変形・破断・分散のシミュレーションが可能となった。また、分子動力学モデルでは、低分子の応用されている分子動力学の手法を用いて高分子鎖の挙動を予測するシミュレーション技術を開発した。原子1個1個を考えるのは計算機の性能上困難であるので、高分子をいくつかのセグメントにわけ、バネ-ビーズモデルで近似し、モデル化した。分子が数本のケースのシミュレーションであるが、緩和挙動など高分子鎖の挙動を定性的にとらえられることがわかった。ブレンド・アロイについては、同成分、異成分同志の分子間相互作用の違いを考慮することで可能になると思われる。連続体からの成形加工プロセスのシミュレーション技術の開発については、ブレンド・アロイ化に用いられる二軸スクリュ押出機に関しては、各種のスクリュエレメントについてのシミュレーション技術の開発が進み、現実に用いられる各種のスクリュに対応できるようになった。また、フィルム成形、ブロ-成形および押出成形の計算機シミュレーション技術に関して、粘弾性モデルによる成形過程のシミュレーションが可能になり、材料のレオロジー特性と成形品形状・物性の関連が検討できるようになった。このことから、ブレンド・アロイのレオロジー特性を表す構成方程式がモデル化できれば、これらの材料による成形品の予測が可能になる。
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